有力新薬を相次ぎ投入し国内ナンバーワン目指す--第一三共次期社長 中山讓治

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国内は苦戦していたが攻勢に出る

--第一三共は血栓症治療薬のエフィエント(一般名プラスグレル)を昨年8月に米国で発売しました。しかし、売り上げが大きくならないうちに、ライバルである他社製品の米国特許が近い時期に切れます。この分野でも後発品との価格競争が懸念されます。

エフィエントはもっと早く米国で発売できると予想していたが、米国食品医薬品局(FDA)の審査が長引いたり、新薬承認に対するFDAの姿勢が厳しくなるなど、難しい状況に直面した。また発売後も、警告部分の周知から販売促進活動をスタートせざるをえなかった。ただし、患者さんにとってメリットが非常に大きい薬だ。遺伝子多型(遺伝子を構成するDNAの配列の個人差)に依存せずに処方できる点に、ライバル品に優越するメリットがある。ここをしっかり伝えていきたい。

--米国の医療保険制度改革では、どのような影響がありますか。

米国で展開する製薬会社は、高齢者向け医療保険制度(メディケア)の改革に関して費用負担を求められている。また、メディケアとの薬価交渉も厳しくなることが予想される。当初の予想よりも医療保険制度改革に起因する負担は大きなマイナス要因となるが、それでもオルメテックやエフィエント、現在開発中の新たな作用機序の血栓症治療薬エドキサバンを中心に、米国事業を成長させていけると確信している。

--3月12日に発表した第2期中期経営計画(11年3月期~13年3月期)では、13年3月期の連結売上高を10年3月期比21%増の1兆1500億円、連結営業利益については88%増の1800億円へと増収・大幅増益を描いています。環境が厳しい中で実現できますか。

中計達成の前提条件の一つがランバクシーの軌道化だ。現在、品質管理問題により、米FDAからインド国内の2工場が対米輸出を禁止されているが、この問題が解決すれば同社は連結業績に大きく寄与できる。

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