「桐谷さん」も遂に始めた米国株投資の圧倒的魅力 過去30年で日経平均は-26%、米国株は13.5倍

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桐谷広人(きりたに・ひろと)/個人投資家。1949年、広島県生まれ。プロ棋士七段。現役時代は「コンピューター桐谷」の異名を取った。1984年、東京証券協和会将棋部の師範をしていたことをきっかけに、株と出合う(撮影:梅谷秀司)

米国株投資でも重視するのは、日本株と同じく配当利回りです。かつて購入した日本株では、株価が購入時よりも10分の1になっている銘柄があります。なぜ一流企業の株価が10分の1にまで下がるのか。やはり配当が少ないからだと。

一例として、配当を厚くして5%の利回りを出していれば、株価が10分の1になると配当利回りは50%になる。配当利回りが高い株を買えば、株価が大きく下がらないだろうと、日本株では優待を含めた株主還元を重視して投資してきました。

下がると必ず上がる

1984年からの投資経験を基にいうと、株価は上がると必ず下がるし、下がると必ず上がる。とくに米国株は、しばらくすると高値を更新するというのが特長ですね。

1987年のブラックマンデー、2000年代のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックなどを乗り越えて株価の上昇が続いています。そういった状況も考慮して、まずはベライゾンを選びました。

同社株を買ったのは、日本のKDDIに似たような会社だと思ったから。株を買うなら、事業内容を理解できる会社がいいですね。

ただ、買い増そうと思ったらNYダウ平均株価がどんどん高値を更新する。高値づかみはできるだけ避けたいので、暴落があったときにたくさん買おうと考えています。

これまでの経験から、「今買わなきゃ乗り遅れる」と焦って買うと、必ず株価が下がるというのがあります。今はとりあえず1銘柄買って様子を見ている状態です。

今後、買いたい株はコカ・コーラです。伝説の投資家ウォーレン・バフェットさんも保有されています。ほかにはIBMやダウ・ケミカル、(医薬品大手の)メルク、(薬局チェーン展開の)ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスなども候補です。

経済学者トマ・ピケティ氏が『21世紀の資本』で主張したように、r(資本収益率)はg(経済成長率)より大きい。世界経済が発展する限り、米国株は魅力的であり続けると思います。(談)

『週刊東洋経済』9月11日(9月6日発売)の特集は「ETFから穴株まで丸わかり 米国株超入門」です。
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林 哲矢 東洋経済 記者

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はやし てつや / Tetsuya Hayashi

日本経済新聞の記者を経て、ハーバード大学(ケネディスクール)で修士号。『週刊東洋経済』副編集長の後、『米国会社四季報』編集長。

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