こう考えるのは何も早紀さんの母親だけではなく、医者を夫に持つ女性から何度か同様の発言を聞いたことがあります。「娘を医者と結婚させたい病」と言えるかもしれません。こうした無理難題のせいで、結婚はますます遠のいてしまうのです。
父親が貯めた結婚資金で入会
対して、一般家庭の娘・香織さん(仮名)、やはり30代後半。短大卒業後、小売りのチェーン店で販売をしています。
勤務中は制服を着用するのでファッションに興味がないのか、いつも地味な服で化粧っ気もなく、自宅と職場を往復するだけ。恋愛経験もない。手取り10数万円の給料のうち、5万円は家に入れ、2万円は貯金。お小遣いは月数万円と決めて堅実に生活をしています。 香織さんが成人してから、父親は結婚資金として毎月郵便局に5000円ずつ貯金していたそうです。それがかれこれ15年以上経ち、100万円以上貯まったのですが、肝心の結婚の予定がない。
「このお金、使う機会はあるのだろうか⋯⋯」と心配になっていたとき、たまたま書店で私の著書『なぜか9割の女性が知らない婚活のオキテ』を見かけて、「この人のところへ行きなさい」と、その結婚資金を婚活資金に変えて娘を入会させました。
香織さんは素直な人だったので、私たちのアドバイスをよく聞いてくれました。メイクが上手になり、ファッションもずいぶん垢抜けて、周りの男性の見る目が変わって自分自身も嬉しくなり、表情も明るく見違えるほどキレイになりました。そして無事成婚。30代後半とは思えないほどスムーズに婚活が成功しました。
冒頭で、親御さんからの相談が増えた背景について「コロナ不況」を挙げましたが、もう1つ、コロナ禍で家族だけで過ごす時間が増えたことも影響しているといえるでしょう。今までは娘たちの生き方を尊重し、結婚に口出ししないでいた親たちが、ステイホームで娘の行動が目につくようになり、改めて思い直すところがあったのかもしれません。
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