結婚相談所の経営者として婚活現場の第一線に立つ筆者が、急激に変わっている日本の婚活事情について解説する本連載。今回のテーマは、お見合いでマナーやルールを守らない困った人々。最初の顔合わせとなる大事なお見合い。そこで非常識な行動をとる人が増えてきているように感じます。今回はそんな事例をご紹介します。
「マスクをしてください」が言えなくて⋯
近ごろ、お見合い相手のマナーの悪さや、非常識な振る舞いに困るケースが増えてきたように感じます。例えば、新型コロナウイルスの感染予防対策。どこまで気をつけるか個人差が大きい問題ではありますが、せめてお見合いの場ではマスク着用、適度な距離を取るといったごく一般的なマナーくらいは守ってもらいたいものです。
婚活を始めて1年以上になる40代の会社員女性・恵美さん(仮名)は、当社とは別の結婚相談所に所属する50代の会社経営者の男性とお見合いしました。場所はホテルのラウンジ。コロナ以前よりも席と席の間に余裕を持たせていて、感染対策がしっかりされています。
ところが、男性はコロナをあまり気にしないタイプだったらしく、会話中にマスクをしないどころか、わざわざ顔を近づけて大きな声で話しかけてきたそうです。当然唾液も飛んできます。
恵美さんは「困ったな」と思ったものの、「マスクをしてください」と言い出せませんでした。初対面で言いにくいということもありますし、相手は会社経営者ですから年収がよく、ふられたくない。特に、女性は40代以上になると婚活で苦戦するため、言いたいことを言わず我慢しがちです。
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