真奈さんは「私はこのあとサロンにお客様がいらっしゃるので戻らなきゃいけないんです」と説明しましたが、男性は「俺は今日のためにわざわざ車を借りてきた。行かないのは失礼じゃないか」と逆ギレ。その後、男性と押し問答になり、最後には怒鳴りだしたそうです。
「アンタさ、自分勝手じゃない? お見合いはお互いを知るためにあるもので、1時間でサッサと終わるなんてあり得ないんだよ。さっきからなんだよ。『行かない、行かない』って、いい加減にしろよ!」
あまりの大声にウェイターが飛んできて、「大丈夫ですか?」と声をかけたくらい。真奈さんは怖くて、やっとのことでトイレに行くと席を離れ、私に電話してきました。
「このまま帰ったほうがいい」と助言したのですが、席にまだ荷物が残っているというので、「じゃ、とりあえず戻って『相談所に電話したら帰りなさいと言われた』と言ってお帰りになってください」と指示。真奈さんは戻って「お釣りはいらないです」と2000円をテーブルに置いて逃げるように帰ったそうです。
電車で泣いていた目の前にいたのは…
結婚相談所でのお見合いでは、こんなことは通常起こらないことなのですが、怒鳴られて怖い思いをして、帰りの電車の中では涙が止まらなかった真奈さん。夜、私がフォローの電話を入れて1時間ほど話を聞いて慰めたら、「話を聞いてもらったので、気持ちがおさまりました」と落ち着き、「さんざんでしたけど、1つ、いいことがあったんです」と言いました。
「電車で泣いているときに、ふと顔を上げたら、目の前に見たことがある人がいたんです。その時は泣いてもうろうとしていてわからなかったんですが、冷静になって思い返してみたら、先週お見合いした人でした」 「運命かも」なんて言っていた真奈さんです。
結婚という一世一代の大きなイベントに不安定な社会情勢が絡んできたために、多くの人の精神状態も大きく変化しています。婚活現場も例外ではありません。今後は時代の流れを汲みながら、いかに会員に的確に寄り添えるか、相談所の真価が問われることになります。
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