就職人気企業ランキング300--2011年卒業生が“就活後半”に選んだ就職したい会社
厳選採用で質重視の姿勢を貫き、慎重に選考を進めた企業。それに応戦するように、活動量を増やした学生。そうした就職環境の中での就職したい企業の変化も気になる。週刊東洋経済では文化放送キャリアパートナーズと共同で、毎年1月と6月に「就活前半」「就活後半」の就職ブランドランキングを発表している。
今回の後半ランキングは、1~5月に調査を実施。この時期は会社説明会や面接など、実際に企業と学生が接触する頃で、あこがれやイメージが先行する前半とは違い、就職活動を経たうえであらためて企業を見た結果が反映される。前半・後半の変化を見ながら、順位を上げた企業の特徴なども見ていこう。(前半のランキングはこちら)
今回は、総合ランキングに加え、文系/理系、男子/女子、業種種別、企業価値(イメージ)別、仕事価値(イメージ)別に集計したランキングも掲載している。
食品業界の人気上昇 明治製菓がトップに
前半10位から1位に上り詰めたのは明治製菓。昨年のランキングも6位と好調だったが、ついにトップになった。菓子のイメージが強いが、薬品も手掛けており、事業領域の広さから、男子3位、女子1位、文系1位、理系1位とすべてのカテゴリーで強さを発揮した。背景には数年前から会社説明会を積極的に実施してきたことがある。今年は開催回数を増やし、札幌から沖縄まで全国各地で学生と直接触れ合う機会を作った。
セミナーに参加した学生コメントからは、「社員が非常に魅力的」「社員同士の仲のよさや、楽しく仕事をしている様子が好印象」「すごくアットホームな雰囲気」など、実際に社員と触れ合ったときの印象から、高い好感度を得ている。こうした地道な企業イメージの積み上げが、今回の結果につながった。
総合2位は、前半ランキングトップの三菱東京UFJ銀行。一つ順位を落としたが、高い人気を維持した。
「日本一の金融グループというプライドを感じた」「大手企業だけにいろいろなタイプの社員がいたが、エリートが無理しすぎず、誇りを持って仕事をしている様子が共通していた」など、同社が醸し出す雰囲気に好意的な学生コメントが多い。また、「国内トップクラスの知名度」「強靭なブランド力」といった声もあった。
しかし面接に対しては辛口の意見も。「面接が長すぎる」「とにかく選考期間が長い。人事面接に進むまでに毎日のように呼ばれた」など、慎重に選考を進める企業に付き合い、時間も労力も費やした学生の姿が垣間見える。