「全米を揺るがした超絶詐欺」始まった裁判の行方 セラノスを率いたホームズに実刑判決下るか
2016年には、フォーブスはホームズの純資産予想を45億ドルから0に引き下げた。2018年に、彼女はSECや投資家との問題を解決。同年、セラノスは解散した。
同年に発行された司法省の起訴状で、ホームズとバルワニはともに、検査に限界があり、検査結果は不確かなもので、スピードも遅いということを知りながらも、投資家に対してセラノスの血液検査機器が、1滴の血液であらゆる臨床検査をすばやく行うことができると述べたとして告発された。
また、ホームズとバルワニは、セラノスの商売上の取引を誇張し、同社が2015年に10億ドルの年商が見込めると投資家に伝えたのにもかかわらず、実際には数十万ドルしか年商がなかったとも書かれた。
あの手この手で裁判を遅らせてきた
以来、ホームズの弁護士らは繰り返し裁判の延期を要求してきた。彼らは証拠の除外や証人の妨害を試みてきた。そして、ホームズが一連の手続きにおいてマスクを着用すべきかどうか、といったその他の事項に関しても言い争ってきた。
保険によって検査料が支払われた医師や患者に代わる詐欺罪の訴訟は昨年取り下げられた。しかし、セラノスの患者で不正確な検査結果を出された人は証言を許可されている。
200人以上にも及ぶ証人候補者リストには、セラノス「側」だった多くの有名人も含まれている。セラノスに投資したメディア王ルパート・マードックや、ホームズの代理人としてセラノスの取締役会に出席していた有名弁護士デイヴィッド・ボイズ、そしてキッシンジャー、フリスト、マティスらも含まれている。
同事件の弁護士らは、シリコンバレーにおける資金集めの詐欺、および誇張に関しても議論している。検察側はセラノスの問題に集中するために、ホームズ側の弁護士が「スタートアップ企業が誇張するのは当たり前の文化」だとする主張を阻止しようとしてきた。しかし、ダビラはこの点に関して一般的な意見を許可するとした。
「うまくいくまではうまくいっているふりをするーーそれは医療機器ではやってはいけないことだ」とガードナーは言う。「医療機器は厳しく規制されているものだ。それらは完璧に正確で、人に害を及ぼすものであってはならないのに、セラノスの機器はそれに反したのだ」。
(執筆:Erin Griffith記者、Erin Woo記者)
(C)2021 The New York Times News Services
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