「全米を揺るがした超絶詐欺」始まった裁判の行方 セラノスを率いたホームズに実刑判決下るか

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昨年、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所のエドワード・ダビラ判事は、ホームズとバルワニの事件を分けることに同意した。法律専門家によると、これはこの手の事件において珍しい対処であり、両者が対応能力なしに互いに責任をなすりつけあうのではないか、と見ている。

2020年に裁判所へ提出された封書が先週末にかけて公にされ、その中でホームズは、バルワニとの関係性には「ある種の虐待と支配的な束縛」があったと述べている。書類には、ホームズの弁護士が同氏の精神状態、およびいわゆる虐待の影響を精神鑑定する可能性があると書かれていた。バルワニの弁護士は裁判所に書類を提出して、疑惑を否定した。

有罪の場合、最高20年の実刑も

有罪判決を受けた場合、37歳のホームズは最高20年の実刑を言い渡される。ウーバーのトラビス・カラニックや、ウィーワークのアダム・ニューマンら有名なスタートアップ企業の創業者が不祥事により急速に失脚した一方で、ホームズは実際に刑務所行きとなる数少ない1人になるかもしれない。

「この種の詐欺が起訴されないことがあまりにも多すぎる」とセラノスに関するドキュメンタリー「ザ・イノベーター」のディレクター、アレックス・ギブニーは話す。「多くがうまくいくまでうまくいっているふりをするが、それは決して、誰かが詐欺を働いた場合に罪に問われないことを正当化するものではない」。

ホームズの弁護士はコメントの要求には応じなかった。56歳のバルワニの弁護士はコメントを控え、事件を起訴しているカリフォルニア州北部地区連邦地検の代表も同様にコメントを控えた。

セラノスの劇的な事件の詳細へのアメリカ国民の強い関心は、裁判に大きくのしかかるだろう。

何年にも渡り、ホームズは異常に低い声、にらみつけるような目つき、そしてスティーブ・ジョブズを意識してつねに着ていた黒いタートルネックなどによって、自身の世間的なイメージを作ってきた。同氏は事務所の窓ガラスに防弾ガラスを用い、警備部隊をつけて自家用ジェットか、運転手付きの車で移動した。2019年にホテルグループ相続人のウィリアム・エバンスと結婚したと報じられ、7月に息子を出産した。

話題性の高さから、ホームズやこの事件に関して意見のない陪審員を見つけることは困難だった。陪審員たちはメディアの利用や医療経験、ホームズのことを知っているか、同氏がTEDトークに出ているのを見たことがあるかなど、28ページにも及ぶ質問票に答える必要があった。先週裁判所へ提出された書類によると、200人以上の陪審員候補者のうち、およそ半数が事件に関連するメディアに触れた経験があるという。

ホームズが自身の立場を弁護するために証言台に立つかどうかは明らかになっていない。同氏はセラノスのCEO、そして女性社長として説得力があって刺激的だった。同氏はセラノスを激しく守り、どんな批判も、会社が世界を変えようとしている証しだとして払いのけた。

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