「全米を揺るがした超絶詐欺」始まった裁判の行方 セラノスを率いたホームズに実刑判決下るか

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8月31日にカリフォルニア州サンノゼの裁判所に現れた血液検査ベンチャー、セラノスの創業者エリザベス・ホームズ氏(写真:The New York Times)

度重なる延期と出産により、4年の時を経て、血液検査のスタートアップ企業、Theranos(セラノス)の創業者エリザベス・ホームズの詐欺罪に関する裁判の準備が整い、シリコンバレーにおける思い上がり、野望、そして詐欺の武勇伝に幕が下りようとしている。

陪審員選任手続きはカリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所で8月31日に始まり、続く冒頭陳述は来週に予定されている。ホームズの公判は3、4カ月続くだろうとされており、同氏は12件の詐欺と、セラノスの血液検査、および事業における通信詐欺の共謀罪をめぐって法廷で闘う。

2018年に司法省は、ホームズと、同氏のビジネスパートナーで「サニー」として知られる彼女のかつての交際相手、ラメッシュ・バルワニを起訴した。バルワニの裁判は年明けに始まる予定だが、いずれも無罪を主張している。

シリコンバレーの向こう見ずな文化の代表

ホームズの事件は、スタートアップ企業が計り知れない富や経済力を手に入れることを後押してきた「うまくいくまでうまくいっているふりをする」というシリコンバレーの向う見ずな文化の例として挙げられる。ほとんどがとるに足らないものだが、同様の精神でペテン師や非倫理的な詐欺師が跋扈(ばっこ)しており、シリコンバレーの社会に対する支配力拡大に一石を投じることとなった。

しかし、裁判は最終的には一個人のことである。そして、その中心にあるのは、ホームズが欲と権力に支配された欺瞞的な策士だったのか、あるいは、自身の嘘を真実だと信じ込んでいた世間知らずで、バルワニに操られていただけなのかについてである。

事件の焦点は、セラノス製の血液検査機器の不具合をホームズが認識していたかどうか、だ。ホームズの弁護士は、ホームズは単なるスタートアップ企業の対外的な顔にすぎず、一方でバルワニをはじめとするそのほかの人々が技術面を担当していたと主張するかもしれないと、法律専門家は述べている。

弁護団は、ホームズに肩入れしていた機関投資家がセラノスに関してもっとよく調べるべきだったと主張する可能性もある。さらに、ホームズはただ単に野心的な使命を果たすために、シリコンバレーの誇張の常識に従っていただけであると主張しかねない。

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