「全米を揺るがした超絶詐欺」始まった裁判の行方 セラノスを率いたホームズに実刑判決下るか

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しかし、ホームズが証言台に立つとなると、検察側は過去の供述を持ち出して同氏の発言の信憑性に傷をつける可能性がある。2017年の証券取引委員会(SEC)供述録取において、同氏は質問に対して600回以上「わかりません」と答えている。

「あれだけ多く『わかりません』と答えた後に、『私はこのように記憶しています』と答えるのは難しいだろう」と、事件には関わっていないコロンビア大ロースクール教授、ジョン・C・コーヒーJr.は話す。「それが彼女に対して最も不利な証拠だろう」。

著名人もセラノスを「持ち上げた」

かつては高く評価されていたセラノスは、2018年にホームズが起訴された頃には、廃業したも同然の状態となった。

ホームズは2003年に19歳で同社を設立し、ほどなくしてスタンフォード大学を中退した。2009年にはバルワニを起用し、投資家から7億ドル以上の資金を集め、セラノスの時価総額は90億ドルになったとされた。

カリフォルニア州パロアルトにある同社は、ドラッグストア大手のウォルグリーンやセーフウェイとの取引に成功し、両社の店舗に血液検査窓口を開いた。また、ジョージ・シュルツ、ヘンリー・キッシンジャー、ウィリアム・フリスト、そしてジェームズ・マティスをはじめとする高官、上院議員、そして司令官らを取締役会に呼び寄せた。

「私たちは従来の研究室基盤を作り変えた」。ホームズは2014年の会議でこう話した。「人々は腕に注射針を刺す必要がなくなった」。

その後2015年に、ウォールストリート・ジャーナル紙がセラノスの機器の有効性を疑問視する一連の暴露記事を掲載した。

「彼女は詐欺を働いた」と早い段階でセラノスに疑念を抱いていた、スタンフォード大学医学部教授のフィリス・ガードナーは話す。「彼女は多くの患者に害を及ぼした。そして、多くの人から金銭をだまし取った」。

投資家らによる綿密な調査によって、さらなる問題や詐欺の告発が明らかになり、SECから民事詐欺罪で訴えられ、投資家やウォルグリーンによって訴訟を起こされることとなった。

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