【産業天気図・商社】金属資源の高騰が収益牽引、5社合計純益は1兆円突破、業況感は「快晴」

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10年4月~9月 10年10月~11年3月


 総合商社の2010年度は「快晴」。金属資源の価格上昇で海外権益の儲けが拡大するほか、景気底打ちで非資源分野も回復基調をたどる。

総合商社5社の今年度の最終利益は合計で1・1兆円と前期の8000億円から4割近く増加する見込み。歴史的な資源高騰の恩恵を受けた06年度(1.2兆円)、07年度(1.5兆円)には及ばないものの、総合商社の歴史の中でも3番目の利益水準だ。
 
 好業績の牽引役は資源。総合商社は海外で金属資源やエネルギー資源(原油・天然ガス)の開発プロジェクトに数多く参画しているため、資源価格が上昇すると、こうした開発生産権益からの儲けが膨らむ。

近年は資源高で商社の資源部門の利益が膨らみ、総合商社の好業績を支えてきた。前年度の決算においても、5社合計の最終益8000億円のうち、7割近くを資源部門が稼ぎ出している。

特に鉄鋼用原料(鉄鉱石、原料炭)の価格上昇の牽引効果が大きい。その代表格が三井物産<8031>。同社は前期、純益で住友商事に抜かれて業界3位に甘んじたが、今期の純益は3000億円を突破し、急激な回復をたどる見通し。

原動力は同社が伝統的に得意とする鉄鉱石だ。三井物産は豪州を中心に大規模な鉄鉱石の権益を保有し、その持ち分生産数量は年間4000万トン超に上る。

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