ボクシング「入江聖奈」好感度あふれる人柄の魅力 炎上した張本氏への「アッパレ!」の清々しさ

拡大
縮小

そんな入江選手が語るボクシングの魅力は、「私のような不器用な人でも金メダルを取ることができる」こと。さらに「ボクシングは安全なので、みなさん始めてほしいです。アマチュアはグローブが厚いので打たれても痛くないし、致命的なダメージはないので」と競技の普及にひと役買っています。

「しっかり考えて」努力する大切さ

また、入江選手に憧れる子どもたちには、「『しっかり考えて努力すれば夢は叶うんだよ』と教えてあげたいです」とコメント。ただ努力するだけではなく、「しっかり考えて」というフレーズをつけたところに、試行錯誤の日々と思考能力の高さを感じさせました。あまりに人柄がよく、面白いキャラクターなので忘れられがちですが、入江選手は考えて戦うタイプのボクサーなのでしょう。

故郷・鳥取の人々へのメッセージを求められたときも、「生まれたときから鳥取県で育って、人の優しさの中で育ってこられて、『自分は本当に幸せ者だな』と思います。金メダルを通して恩返しがたぶん少しはできたと思うので、これからもみなさんに元気を届けられるようなボクシングをしていきたいと思います。本当にありがとうございました」とコメント。

8月18日には鳥取県の知事公邸で、県民栄誉賞と県スポーツ最高栄冠賞の授与式に参加し、「たくさんの方々にお世話になってつかめた金メダルだと思っており、競技生活が終わってからも鳥取県の誇りでいられるような人間を目指して頑張っていきたいと思います」と話していました。

「人の優しさの中で育った幸せ者」「恩返しがたぶん少しはできた」「引退後も県の誇りでいられる人間を目指したい」など、まるで「何を言われると相手が喜ぶのか」をわかっているかのようなコメントに驚かされます。これは意図的というより、培ってきた人間性によるものであり、その意味で「やはり金メダルにふさわしい選手だった」のではないでしょうか。

今や入江選手はボクシングよりカエルについて語るシーンのほうが目立つようになっていますが、見ている人々に決して「くどい」と思わせないのも人柄のよさによるものでしょう。

次ページカエル話自体が面白い
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT