ボクシング「入江聖奈」好感度あふれる人柄の魅力 炎上した張本氏への「アッパレ!」の清々しさ

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そんな入江選手の好感度をさらに上げたのが、金メダル獲得直後のボクシング引退宣言。まだ20歳の若さであり、常に笑顔の穏やかなキャラクターからは想像もつかないほど、入江選手は整然とした価値観の持ち主だったのです。

入江選手は、「自分の中で『有終の美で終わりたい』というのが強くありまして、大学いっぱいでボクシングをやめるつもりです」「(大好きな)カエル関連で就職できたらいいんですけど、なかなか就職先がネットで調べても見つからないので。好きなゲーム会社に就職したいと思います」と断言。

「生まれ変わったら甲子園に出たい」

その後のインタビューでも、「社会人でも続けていたら引き際がわかんなくなりそうで……けっこう現実的(な性格)です。区切りつけるために大学でやめるつもりです」「パリは目指さないです。『いい社会人になりたい』と思います」と決意の固さをうかがわせました。

芸能界への興味を聞かれても、「芸能界は飽きられたら終わりで怖いので、つつましく生きていきます」。バラエティタレントへの転身を勧められても、「頭の回転遅いので、ボクシングと就活で頑張ります」と即答。浮ついたところのないこんな人柄が視聴者の好感度をグンと上げました。すでに多くの企業から就職の誘いが来ているようであり、来年にはどんな進路を選ぶのか注目を集めるでしょう。

さらに好感度だけでなく笑わせてくれたのは、「生まれ変わったら、また同じ競技をやりたい?」と聞かれたときの「来世は高校球児になって甲子園に出たい」というコメント。入江選手は競技期間中、「選手村に引きこもって(野球ゲームの)『パワプロクン』で甲子園を目指していました」と語っていました。やはりここでもカッコつけず、気負うことなく、率直なコメントだったのですが、「パワプロクン」「甲子園」というタイムリーなフレーズを入れて答えるところにトークセンスのよさを感じさせます。

引退宣言したとはいえ、13年にわたって続けてきた入江選手のボクシング愛は本物。子どものころ運動神経はよいほうではなく、ボクシングも当初はパンチが弱く、動きもぎこちなかったものの、小学生のとき「2020年20歳で五輪代表に選ばれて金メダルをとる!!」とノートに書いていたそうです。

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