R= Reliable(信頼できる)とは、AIの出力する結果が信頼でき、それを基に人間がより深い判断、よりよい意思決定ができるようにしなければならない、という原則です。
「信用」は過去の実績・成果物が重要になりますが、「信頼」とはそのうえで将来の決定を任せられるかということです。AIが「信頼」できるものであれば、その決定を参考にして人間がさらによい結論を導き出すことも可能になるのです。
U=Understandable(理解できる)とは、AIの出力が人間にとって解釈可能であり透明性を有していなければならないという原則です。AIが信用と信頼を得るためには、透明性を持つとともに説明可能・解釈可能である必要があります。
S=Secure(安全が保たれている)とは、扱う情報・データのプライバシーとセキュリティー確保の原則です。Googleが2020年1月にウェブブラウザChromeでサードパーティCookieのサポートを段階的に廃止する計画を発表したのも、個人情報保護と透明性の確保という社会的要望が高まってきたからにほかなりません。
AIへの信用と信頼は企業・組織や消費者の情報・データのプライバシーとセキュリティーに配慮し、安全性を確保したうえで成り立つものなのであることを肝に銘じる必要があります。
T=Teachable(共に学びあう)とは、人間中心のデザインによりAIと人間とが新たな価値を共創し、また相互教育により互いを高めあう世界を実現すべきである、という原則です。
従来は人間が機械の使い方を学び使いこなすことが重視されてきましたが、AIは学習を繰り返すことにより成長する技術です。人間がAIを使うとき、そのAIの結果が正しかったのか間違っていたのか、あるいはその結果をどのように活用したのかなどのフィードバックを与えることでAIもまた人間から学習することができます。
前述のような信用と信頼関係があればわれわれはこうしてより賢くなったAIから新たな学びを得ることもできるのです。
信用と信頼こそが重要
この5つの行動原則(TRUST)に従って「責任あるAI」を実現することによって、企業はAIの持つリスクを正確に理解できるようになり、かつAIが持つ潜在リスクへの対策を行うことでAIへの信用が生まれ、人間はAIを信頼できるようになります。
この信用と信頼こそが、AIを自社のビジネスに応用・拡大利用するための礎ともなるのです。
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