【産業天気図・空運】ビジネス需要戻り歩調、羽田空港再拡張もあり後半「晴れ」へ。JAL再生が不透明要因

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 航空業界にとっての懸念材料はJALの再建状況。6月末に提出予定だった更生計画の提出期限は8月末に延期された。当初発表していた路線、人員の大幅削減は今後一段と上積みを迫られる見通しで、金融機関との調整が本格化している。

大手2社の寡占業界にあるとはいえ、ANA幹部は「JALが多額の公的資金を背景に強気な値下げ競争を仕掛けている」として異議を唱えており、今後の行方は不透明だ。

そのJALは3月に単月黒字化したが、4月は再び赤字転落した。リストラに依存しており、客数回復は鈍い。顧客を呼び込むには値下げにある程度頼らざるを得ないとみられ、今後泥沼化の競争になれば、JALとANAの共倒れになりかねない。

一方、衆人環視の中、戦略的な料金値下げの自由度が縛られる方向に向けば、景気回復に伴ったJALの浮上は依然厳しい。巨額の公的資金を投じることを決めた政府の責任問題にも発展しかねず、難しい局面を迎えることは必至だ。

大手2社に続く業界3位のスカイマーク<9204>は業績好調が続いている。デフレ環境で強みの割安運賃が支持されており、JALばかりでなくANAからも顧客を奪取。搭乗率は8割を超える高水準で推移している。台風の目となるにはまだ規模が小さいが、今年は国際線のチャーター便にも再参入する予定。じわりと大手を脅かす存在になりつつあるのは確かだ。

(冨岡 耕=東洋経済オンライン)

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