複業で「成功する人」「失敗する人」の決定的な差 「成功しなければ」というプレッシャーは捨てよ

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「大変な目に遭う」ことは「自分にとって損」と感じる人が多いでしょう。でも、「何が大変で、それをどう克服するのか」を楽しめるようになると、ビジネスの幅が一気に広がります。

「大変だ」と思われることでも断るのではなく、積極的に受けて楽しむくらいの発想がないと仕事は増えませんし、面白い仕事にも出会えません。さらに自分で「大変」を解決できるようになると、誰かの「大変」を解決してあげられる。それは報酬につながり、複業になります。

新たな仕事に踏み出すとき、その選択が本当に正しいかどうか判断がつかないこともあります。そんなときは、だまされたつもりで受けてみることも大切です。悪意のある相手でなければ、どんな仕事にも意義を見つけることができます。確信が持てなくても、一歩を踏み出してみるのです。

「本当にいいのか」と悩み続けて、一歩を踏み出せない人が少なくありませんが、それでは成長もありません。仮にその仕事を受けたことが最終的に失敗だったとしても、「成功しない方法を見つけた」と割り切るのです。

慣れてくると、時間だけ浪費させられてお金にならないオファーは見極められるようになります。ただ、最初は判断が難しいです。私の経験でも、何度もヒアリングをされた後に「やはり発注はしません」と言われたこともあります。複業をするうえでは、1、2回はだまされるのもやむをえないと思います。逆に一度もだまされたことがない人のほうが珍しいでしょう。

資格でなく事例をつくる

本業にしても複業にしても、「スキルアップのためには資格を取ったほうがいい」と勘違いする人が多くいますが、私は反対です。資格はある程度のスキルの目安にはなりますが、資格を取りたがる人は往々にして「資格を取ること」自体が目的になってしまいます。

資格を取ることは達成感があります。しかし、それで満足してしまい、次々と資格ばかりを取ってしまいます。その結果、そもそも「何をしたかったのか」を見失ってしまうのです。

そうした人は「○○の資格があります」と書いておけば、仕事がたくさん来ると思っています。しかし、それは幻想です。資格よりも「自分は何をしてきたか」という事例が大切です。しっかり結果を出してきた事実を積み重ねることです。

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GoogleやAmazonが実施している検定も同じです。一定の期間は役に立つでしょうが、プラットフォームが変われば使えなくなる可能性があります。インフラが変わると別の資格が必要になることを意識しておくべきです。

事例をつくるうえでは、どんなプロジェクトを経験したかも重要ですが、そのプロジェクトを通じて何を得たか、ほかのプロジェクトにどう応用できるかが大切です。

また、本当に必要な実績は、無償でも積むべきです。プロボノは「スキルを無償提供して社会貢献する」ことを意味する言葉ですが、報酬をもらって経験できないことはプロボノでも経験したほうがいいでしょう。その経験が飛び地でポートフォリオを広げ、のちのち振り幅が広がる要素として効いてくるはずです。

以上のことをご参考に、ぜひみなさんも新たなキャリアを開拓し、副業を成功させてください。

江端 浩人
えばた ひろと / Hiroto Ebata

ニューヨーク・マンハッタン五番街生まれ。スタンフォード大学経営大学院修了、経営学修士(MBA)取得。伊藤忠商事の宇宙・情報部門、ITベンチャーの創業を経て、日本コカ・ コーラでiマーケティングバイスプレジデント、日本マイクロソフト業務執行役員セントラルマーケティング本部長、アイ・エム・ジェイ執行役員CMO、ディー・エヌ・エー(DeNA)執行役員メディア統括部長、MERY副社長などを歴任。現在はエバーパークLLC、江端浩人事務所代表として各種企業のDXやCDOシェアリング、次世代デジタル人材の育成に尽力。 メンバー7500名の次世代マーケティングプラットフォーム研究会主宰。iU情報経営イノベーション専門職大学教授に就任。

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