が、いったん入国した外国人記者たちは、今回の取材体制におおむね満足しているようだ。「大会前の2週間の隔離があるため、6月15日に到着した。今回の旅で一番大変だったのはホテル初日の夜だった」と、 AFPのフランス語のスポーツ部門責任者であるエマニュエル・ピオニエ氏は言う。「それさえ終われば、特に問題はなかった」。同氏は過去に8回、オリンピック取材を経験しており、今回の取材陣の中では最大規模の陣営を率いている。
EU諸国やアメリカの場合、入国するのは簡単だが、入国後に多くの障壁がある。例えば、民間セキュリティは日本より厳しい。しかし日本はその逆で、入国するのは大変だが、いったん入国してしまえば移動は簡単にできる。試合会場周辺警備も厳重ではない。東京の治安が非常にいいこともあるが、競技場の入場手続きも非常にスムーズだ。
リオ大会では選手村で強盗もあった
ロイック・グラッセ氏は、「2016年のリオ大会では、犯罪が多い街なのでスタジアム近くには軍の戦車が待機していました。選手村の中でも強盗にあった。次の開催地であるパリでは、テロや犯罪リスクがあるので、機関銃で重装備した軍人がいるだろう。東京では、警備ストレスは一切ない」と話す。
外国人記者の間では、手荷物検査を担当する自衛隊の人気が高いという。「彼らは礼儀正しく、英語を話そうと努力している。彼らは武器を持っていないので、これが試合の雰囲気の違いにつながっている」(グラッセ氏)。
だが、記者たちにはいくつかの不満がある。プレスセンターのある東京ビッグサイトである。国際見本市が開催される日本最大の場所として知られるが、多くの外国人記者はここで過ごす時間を快適には感じていないのだ。
「東京ビッグサイトはスペースを貸し出すことにしか興味がないのだろう。正直何のサービスもない。東京ビッグサイトにとって、ここを使う人は顧客ではないのだろう」と海外の展示会社の幹部は説明する。「欧米ではMICEオペレーターが施設内で来場者が楽しく時間を過ごし、お金を使う雰囲気を作り上げているが、日本にはそれがない」。
実際、プレスセンターには、アスリートのポスターなどオリンピックを感じさせるものがほとんどない。オリンピックをまるで感じない、無機質で、大きな、気持ちのこもっていないスペースで記者たちは働いている。記者専用の駐車場もなければ、Wi-Fiの接続もイマイチだとある記者は嘆く。
食事もかなり残念な部類に入る。例えば、500mlのコカ・コーラは日本のどこでも100円か130円で買えるが、プレスセンターでは280円もする。食事のメニューは1000円から1800円まで6種類あるが、ハンバーガーだけクオリティに問題があると感じた。あくまで個人の感想だが、おいしくないハンバーガーのオリンピックがあったとしたら、プレスセンターのハンバーガーは有力な金メダル候補かもしれない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら