コロナ2年目「就活川柳・短歌」に込めた学生の本音 Web面接慣れも、最終は初の対面「何も話せず」

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WEB面接 目線はカメラ 相手だれ(岐阜県 ラブさん)

オンライン面接での目線問題は、学生も面接官も悩ましく感じているようだ。この作者は、面接官の印象をよくしようと最後までカメラ目線を貫いた結果、面接官がどんな顔だったかを一度も見ることができなかったという状況を、最後の「相手だれ」でうまく表現している。

カメラ目線と相手を見るタイミングやバランスは、オンライン面接対策の中でも難しい部類のひとつだ。たまにはカメラから目線を外し、相手がどのように話を聞いているのか、画面をしっかり見ながら話すのもいいかもしれない。

家出ても「下ジャージ」?

癖抜けぬ 家出て気づく 下ジャージ ダッシュで着替え 内定奪取(神奈川県 らめんさん)

上着だけスーツ姿のオンライン面接に慣れ、対面面接で会場に向かう際にも「下ジャージ」のままで出かけてしまうという、漫画のようなミスを犯した作者。実際には相当に焦ったであろう状況を、「ダッシュ」と「奪取(だっしゅ)」を掛けるなどしてユーモラスに描いた作品となっている。

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着替えるためにあわてて自宅にとんぼ返りして、それでも面接開始時刻に間に合い内定を勝ち取れたのは、「下ジャージ」ではあったものの、時間に余裕を持った行動とハプニングにも負けない度胸があってのことだろう。

 

入選作を作者の都道府県別に見てみると、神奈川県が最優秀賞、優秀賞を含めて4人、北海道が3人、大阪府が2人と、この3道府県で全14人中9人と6割以上を占めている。断トツで学生数が多いであろう東京都はわずか1人の入選にとどまる。東京の学生には、ぜひ来年の就活川柳での巻き返しを期待したい。

さて、HR総研のオフィシャルページでは「2022年卒 就活川柳・短歌」の全入選作品について、作者の思いを踏まえての寸評・解説も掲載している。それぞれの作者がどんな気持ちでこの川柳や短歌を詠んだのか、ぜひご覧いただきたい。次回は、採用担当者による「2022年卒 採用川柳・短歌」を紹介する。

松岡 仁 ProFuture HR総研 主席研究員

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まつおか ひとし / Hitoshi Matsuoka

就職情報会社3社を経て、2009 採用プロドットコム(現ProFuture)に入社。新卒採用に限らず、キャリア採用、人材育成、人事制度、人事システム、労務、法改正対応等、人事領域に関連する幅広い各種調査の企画、実施・分析を行う。朝日新聞、日経新聞をはじめ、新聞、人事系雑誌、テレビからの取材依頼も数多い。

 

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