三井住友海上「中古車のユニコーン」に出資した訳

豊富なデータとデジタル技術を活用できるか

カーロのオンライン中古車販売(オークション)サイト(カーロ提供)

大手損保の三井住友海上は7月、東南アジアを中心にオンラインで中古車売買を手掛けるCARRO(カーロ、本社シンガポール)に出資した。

ソフトバンクグループのビジョン・ファンドが主導するカーロの資金調達ラウンドに参画したもので、3億6000万ドル(約400億円)の出資総額のうち、三井住友海上は15億円程度を出資したとみられる。

カーロは今回の資金調達で、企業価値が10億ドルを超える、いわゆる「ユニコーン企業」に仲間入りした。

国内損保の海外投資は、同業の保険会社や高度なデジタル技術を持つIT企業などに出資することが多い。だが、歴史の浅い中古車販売事業者へ出資するケースは珍しい。

透明度高い中古車取引を実現

2015年にシンガポールで創業されたカーロは、ネット上で個人や中古車ディーラーが車を売買できるマーケットプレイスなどを運営している。不透明な取り引きが多い東南アジアの中古車販売市場で、AIなどの最新デジタル技術を価格査定やローンの与信などに活用し、透明度の高い中古車売買を実現している。

三井住友海上は2020年12月に同社と業務提携し、今回資本参加という形に一歩踏み込んだ。

狙いの1つは、テレマティクスを活用したサービスや自動車保険の開発だ。テレマティクスとは「テレコミュニケーション(電気通信)」と「インフォマティクス(情報処理)」を組み合わせた造語で、車などの移動体に搭載した通信機器などを活用してさまざまなデータを取得し、利用者に各種サービスを提供できる。

両社は5月にはインドネシアでカーロから中古車を購入した顧客向けに、テレマティクスサービスの提供を始めている。安全運転すればポイントが貯まり、カーロが運営する修理工場で洗車やオイル交換、修理代金の割り引きなどの特典が付く。ただ、あくまでもポイント還元プログラムの一環であり、自動車保険の保険料などに安全運転の成果は反映されない。

次ページ海外で種類豊富なテレマティクス保険
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
  • 買わない生活
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 意外と知らない「暮らしの水」ウソ?ホント?
  • 財新
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT