アメリカ主導の超ド級金融相場ついに終盤戦へ

<専門家3人に聞く>株式市場の行方とリスク

アメリカ株の上昇は続くのか。写真はウォール街のニューヨーク証券取引所周辺(写真・2021 Bloomberg L.P.)

世界経済を主導するアメリカの株式市場は昨年夏以降、主要3指数がナスダック、S&P500、NYダウの順でコロナ前の高値を上回り、今年に入っても多少の調整をはさみながら史上最高値の更新が続いた。

最近の動きを見ると、NYダウは7月12日に3万4996ドルと最高値を更新。20日時点では3万4511ドルとなっている。コロナ・パンデミック後の安値(昨年3月23日終値)比で86%、昨年末比でも13%の上昇であり、最高値圏にあることに変わりはない。

ただ、株式市場を取り巻く環境は大きく変化してきている。アメリカでは昨年来、大規模な金融緩和と財政出動が行われ、景気がV字回復。実質GDP(国内総生産)成長率は2021年の前年比マイナス3.5%に対し、2022年は同7%前後へ急反発が見込まれる。

景気回復に伴いインフレ懸念も台頭。6月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比5.4%となり、約13年ぶりの高水準となった。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数の上昇率も同4.5%と、約30年ぶりの高い伸びを示した。市場ではインフレがどこまで持続的かという問題とともに、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和の縮小(テーパリング)とゼロ金利解除をいつ開始するかが焦点となっている。

昨年来の大幅上昇で株価自体の高値警戒感も高まる中、アメリカの株式市場は年末、来年に向けてどう動くのか。また、今年2月に日経平均が3万円台に乗せた後は軟調展開が続く日本株の反転はあるのか。世界の市場を日々ウォッチしている専門家3人に話を聞いた。

高PERと緩和縮小で株の魅力低下

ニッセイ基礎研究所の上席研究員でチーフ株式ストラテジストを務める井出真吾氏は、まずアメリカ株について「年末にかけて上値が重くなる」とし、「NYダウ3万ドル割れが1つのメド」と予想する。

その理由として、今後1年間の企業業績をベースとした予想PER(株価収益率)が22倍前後と約20年前のITバブル期以来の高水準にあることに加え、金融緩和の縮小が近づき、市場金利が上昇することで株の魅力が低下することを挙げる。現状の株価は全般に10~15%割高という。株や国債の反落とともに、ハイイールド債や新興国市場なども売られ、投資家のキャッシュポジションが高まると見込む。

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