今年後半の日経平均は「3万円」が中心となる理由 アメリカや中国の景気を先読みする指標とは?

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アメリカでの自動車需要の回復などを背景に日本からの輸出は過去最高を更新する勢いとなっている(Stanislav Kogiku/アフロ)

結論から言えば、今年後半の日経平均株価は3万円程度で推移するとみている。つまり、年初来高値(3万0467円、2月16日終値)を大きく更新することもなければ、3万円から10%以上、下に振れる可能性も低いだろう。そう考えるのは世界経済が持ち直すなかで、日本の企業業績は回復基調を強めるものの、アメリカの金融政策が引き締め方向に変化したり、中国の景気回復が一巡したりすることで、金融市場の空気がさほどよくならないと予想するからだ。

なぜ日本からの中国への輸出は極めて好調なのか

まずは日本経済。ほとんど認識されていない重要な事実として、輸出が過去最高を更新していることに触れておきたい。6月の貿易統計を基に作成した実質輸出(物価・為替変動の影響を除いた季節調整値)は前月比プラス1.5%と3カ月連続で増加し、水準は2019年12月をプラス13.9%上回り、これまでの最高を更新した。

地域別では、アメリカ向けがプラス5.3%と強く伸び、ヨーロッパ向けもプラス4.8%と4カ月連続で増加。アメリカ向けは2019年1月をプラス7.6%上回り、ヨーロッパ向けはマイナス4.5%まで戻している。他方、アジアはマイナス2.0%と減少、中国向けはマイナス3.8%であった。中国はコロナの大流行からの回復が早かった分だけピークアウトも早く、ここへ来てやや増勢が鈍化しているようにも見えるが、水準は2019年1月をプラス12.6%も上回っており、ならしてみれば堅調と言える。

品目別(対世界)では、電気機械が2019年12月対比でプラス18.3%、輸送用機械がプラス4.7%、一般機械がプラス9.4%とそれぞれコロナ前の水準を明確に上回っている。世界的なIT関連財需要の高まりと、アメリカにおける自動車需要の回復が強く効いており、そうした下で企業の設備投資意欲が復調しつつあるとみられる。

また、関連統計として機械受注も重要。資本財輸出の先行指標とされる外需は前月比プラス46.2%と大幅に増加した。水準は大きな振れを伴いつつも着実に増加し、3カ月平均値は既往最高を更新、2019年12月をプラス64.1%も上回っている。半導体製造装置や工作機械などの受注増加が目立つ。

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