Twitterが大攻勢、3年で「売上倍増」達成への道筋 日本法人代表が語る「矢継ぎ早」新機能の狙い
スーパーフォローなどの日本での展開については、「日本にも"投げ銭”文化がある。決済インフラが国によって異なるので検討の必要はあるが、相性は良いだろう」(笹本氏)とした。
近年投げ銭が盛んなのは動画のライブ配信サービスだ。ツイッターは2015年に買収した配信サービス「ペリスコープ」を展開していたが、ユーザー数ば思うように伸びず今年3月に終了している。現在はツイッターアプリ内にライブ配信機能があるものの、ほかのSNSのような活発さはみられない。
これに関して笹本氏は、「動画に対するアプローチは今後期待してもらいたい。あまり一気に機能を増やしすぎるとユーザーが離れるリスクもある。ライブ配信というものをアプリ上でどのように提供すればスムーズに使ってもらえるか、今後の検討課題になる」と述べるにとどめた。
スポーツとツイッターの相性を生かす
実はツイッターにとって日本市場は、アメリカに次ぐ第2の稼ぎ柱だ。2020年は全社の売上高の約15%を占める約5.4億ドル(約600億円)だった。
笹本氏は今年5月から日本・アジア太平洋地域を担当するアメリカ本社副社長も兼任。「ツイッターにとって日本市場はロールモデルになっており、新機能を立ち上げる際は日本市場を意識する。(収益モデルを)アジア全体に展開していきたい」と意気込む。
そんな中大きな期待を込めるのが、東京オリンピック・パラリンピックだ。2018年末のマクロミルの調査によれば、月に一回以上ツイッターを利用するユーザーのうち、スポーツ観戦をしながらツイッターを見る人は約43%と半数弱を占める。
その影響力は2019年に日本で開催されたラグビーW杯でも顕著だった。ニールセンの調査を基に試合中の各ネットサービスの起動時間の増減を比べると、ツイッターは19%増だったのに対し、ほかのSNSは10%前後減ったという。
「リアルタイムに情報を受発信できるツイッターは、スポーツとの親和性が高い。五輪の会場が無観客になった中で、ツイッターは役に立てる。スポーツにおける高揚感の中でのブランディングの効果は高く、広告主に対しても、選手がメダルを取った瞬間にリアルタイムに広告を発信できるようにするなどして訴求する」(笹本氏)。
消費者一人ひとりのスマホ上での時間の奪い合いは、世界規模で熾烈を極める。実名でも匿名でも利用しやすいツイッターは、ネット上の匿名文化が強い日本で広く受け入れられた。ただ、売り上げ拡大を重視した機能拡充や広告の強化はどこまでユーザーの支持を得られるか。ツイッターの激変期はまだ始まったばかりだ。
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