「カンヌ映画祭」を乗り切った感染対策の凄い中身 ワクチンパスポートやコロナ探知犬などフル活用

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カンヌではどのような感染対策を実施したのでしょうか(写真:筆者撮影)

いよいよ東京五輪が開幕する。コロナ禍のなかでの開催となる巨大イベントに、連日さまざまな意見が出ているが、その少し前、コロナ禍のなかで国際的な巨大イベントを行っていたのがヨーロッパだ。サッカー欧州選手権が開催され、それに伴い各国の都市ではファンが熱狂。またフランスのカンヌでは、第74回カンヌ国際映画祭が行われた。

フランスの新型コロナの感染状況は、ワクチン接種率の広がり(2021年7月19日時点では43.6%)もあって改善していた。今年5月半ばより、フランス政府は国全体に敷いていた厳しい制限を順次緩和。6月の時点では、新規感染者が2000人以下まで減った日もあるなど、明るい兆しが見えていた。

しかしデルタ株の猛威によって、状況は徐々に悪化。この記事を書いている7月19日の時点で、フランスの1日の新規感染者数は再び1万人を超えている。

今年7月6日〜17日に行われたカンヌ国際映画祭も、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により通常開催を取りやめていた。実質的に2年ぶりの開催となり、世界から関係者とメディアが集まった(例年は約4万人参加するが、今回は約2万8000人に減少)。この国際的な屋内イベントは、どのような新型コロナ対策をしたのだろうか。

「ワクチンパスポート」と陰性証明を活用

今年のカンヌ国際映画祭は、ワクチン接種証明(ワクチンパスポート)または陰性証明を、積極的に活用したイベントとなった。参加者を、まず「ヨーロッパ域内の国」「それ以外の地域」と2つに分け、施設の入場に「コロナにはかかっていない」というチェックを義務づけたからだ。

ヨーロッパ域内から訪れる参加者には、映画祭の会場の入場の際に「EUのワクチン接種証明」「免疫証明」「48時間以内の陰性証明」のいずれかを求め、ヨーロッパ域外から来仏する場合は「48時間以内の陰性証明」を必須とした。

ワクチン接種証明は、欧州医薬品庁が認めたワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン)を接種済みの人に発行される。

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