NY外為市場、円安進み1ドル102円台に 3週間ぶりの円安、週末の雇用統計への期待も
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 29日終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで8カ月ぶりの高値をつけたほか、円やスイスフランに対しても上昇した。30日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明がタカ派方向に修正される可能性があるとの観測や、今週発表の米重要指標が強い内容になるとの期待が背景だった。
ユーロ/ドル
ドル/円
ドル/スイスフラン
主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.22%上昇の81.202。
市場関係者の間では、米連邦準備理事会(FRB)はFOMCで毎月の債券購入額をさらに100億ドル減らす決定をするとともに、雇用が伸びている点から利上げが近づいていることを示唆するかもしれないとの見方が出ている。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのFXストラテジスト、イアン・ゴードン氏は「(FRBの)姿勢が変わろうとしている、との考えが市場でより受け入れられやすくなりつつあり、そうした事態への備えが進んでいる」と指摘した。
ただゴードン氏によると、バンク・オブ・アメリカの予想では、FRB当局者が労働市場におけるスラック(需給の緩み)を強調している点を踏まえれば今回はハト派姿勢を維持するだろうという。
一方、FOMC声明の直前に発表される第2・四半期の米国内総生産(GDP)速報値と、8月1日の7月米雇用統計が、いずれも堅調な数字になるとの観測が広がっている。
ロイター調査では、第2・四半期米GDPの前期比年率は3%増と第1・四半期の2.9%減から盛り返す見込み。7月雇用統計の非農業部門雇用者数の前月比は23万3000人増の予想で、6月の28万8000人増には及ばないが、労働市場の勢いが続いていることが示されそうだ。
米コンファレンス・ボードが29日発表した7月の消費者信頼感指数は2007年10月以来の高水準となり、ドル高を後押しした。
バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタージー氏は「米景気回復は持続しているというのが全体的な構図であり、この日の指標はそれに沿ったものだ」と述べた。
ユーロが弱かったのは、欧州連合(EU)が合意したロシアに対する本格的な経済制裁が、欧州とロシアの貿易に悪影響を及ぼしかねないことが圧迫要因になったためだ、との声も聞かれた。
NY外為市場 終値
ドル/円 終値 102.11/13
始値 102.07/08
前営業日終値 101.85/87
ユーロ/ドル 終値 1.3408/10
始値 1.3421/22
前営業日終値 1.3438/40
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