報徳会宇都宮病院の「入院治療」あまりに驚く実態 各種専門家から厳しい指摘、山のようなクレーム

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栃木県から届いた段ボールひと箱分の、報徳会宇都宮病院に関する相談・苦情(記者撮影)

黒塗り部分が多く判別しにくい点もあるが、苦情内容はやはり、「理由の説明もなく退院させてくれない」といった内容が多い。2015年分の数例だけでも下記のとおりだ。

「以前入院していた病院は納得できる治療を行っていたが、●。その気持ちを主治医に伝えたところ●と言われた。患者の意思を無視してそんなことが可能なのか確認したい。来る際には3カ月の入院期間だったはずが、入院後は●。病院が信用できない」

「治療の必要もないので早く退院したい。主治医は●Drで、診察時に退院したいこと等を話したが、●とか言われて話がかみ合わず、さらに2回ぐらい話をしたが退院の方向に向かわず、病棟の看護師にも相談したが「●」と言われ、気持ちが滅入ってしまった」

「退院の希望を主治医(●)に伝えたところ、「●」と言われた。診察の際にも、「●」と呼ばれたり、診察の際に●。もうこの病院では耐えられないので何とかしてほしい」

黒塗りにはされているが、これまで見てきたケースを踏まえると、どれも「主治医」はオーナー、石川文之進医師である可能性が濃厚だ。

2015年に朝信医師が同行した宇都宮市による最初の個別指導があったが、同じ年の栃木県の担当部局内でのやり取りでも、「報徳会宇都宮病院における●への対応の問題は、今年度だけでも立て続けに報告を受けている状況。このような状況を県として放置するわけにはいかないため、臨時の実地指導を実施する」との「今後の方針」が示されている。

「放置するわけにはいかない」。自治体側もこうした強い問題意識を持っていたにも関わらず、上記のとおり6年経った現時点でも放置され続けている。

現場職員が擁護

自治体側が二の足を踏み続けるのはなぜなのか。この部局内でのやり取りからも、その一端がうかがえる。

退院できないという患者からの相談について、現場担当者たちで検討したところ、「報徳会宇都宮病院を指導することは、準備が整わない段階での退院につながり、結果的に本人の利益につながるとは限らない」という結論に至ったという。さすがにこれは上司たちから、「病院としての対応の問題と本人への支援の問題は別のものとして考える必要があるのではないか」と諫める意見があった。

つまり、より現場に近い自治体職員のほうが、収容施設としての報徳会宇都宮病院を、「必要悪」として欠かせない、と考えている節がうかがえる。2018年の再度の個別指導時においても、指導が不十分だとする朝信医師の訴えに一定の理解を示した関東信越厚生局や栃木県に対し、最後まで頑として追加指導の必要性を否定し要請をはねつけたのが、地元の宇都宮市だった。

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