仮に筆者が高速取引業者や証券会社の自己売買担当者だとしたら、指数の変化をダシにして儲ける可能性を追求してみたいと思う「隙」はまだ残っているのだが、TOPIX連動型のインデックスファンドを持っている投資家が被るかもしれない損失はかなりの程度抑えられるように思う。
ちなみに、銘柄や構成ウェイト変更の影響は、変更を分割しても、目立ちにくくなるだけで、合計としては残るはずである。
TOPIX連動ファンドを持っているインデックス投資家は、そのまま持ち続けていても大丈夫なのではないかと、現時点では考えている。また、新たに「プライム指数」が登場しても、乗り換える必要はないだろう。投資リターンとしてどちらがいいかは「運」によるが、両者の差は大きくないはずだ。
TOPIXに残る弱点とは?
TOPIXのような有名な株価指数は、(1)株式市場の統計指標、(2)デリバティブの原資産、(3)インデックスファンドの運用目標、(4)運用全般の評価のベンチマーク、といった複数の機能を持っている。
これらの機能を同時に満たすために、採用銘柄や銘柄の構成ウェイト(浮動株時価総額比率)の変更がある際には、その内容を事前に予告する必要がある。
この「予告」は、50兆円を超えるファンドが個別銘柄の売買を事前発表するのと同等の行為なので、ファンドにとって不利に働く(当たり前だ)。この点を含めた不利は、運用者が、この不利を解消するためのいくつかの工夫によって回避可能だ。「運用のための自家製インデックス」を作って、運用を優先した運営を行うといい。
現在、ある運用会社が筆者の構想に興味を示してくれているが、筆者は、他の運用会社に対してもアイデアを提供して議論する用意がある。あれこれ条件を考えて、「こんなファンドを作ったらうまくいくのだよ!」という回答を出す(善意の)愉快犯的な気分は楽しい。インデックス運用はもう一段階良いものにできるはずなのだ(本編はここで終了です。次ぺージは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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