安心なはずの「分散型」投資で大損する人の盲点 銀行に勧められるがままに投信に手を出すと…

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投資とは、安いときに買い、高いときに売ることで、その差額分の利益を得ること。この原則は誰にでも理解できるでしょう。だから、一般的に株式投資をする場合には、保有したい株の価格の動きを見て、値下がりしたら買い足すし、値上がりしたら買うのを見送ります。

ところが、積立型の投資信託は、それができません。投資銘柄の値が上がっていようと下がっていようと、毎月10日なら10日と決められた日に、コツコツ買いつけをするように設定されているからです。

このとき、銀行側の理屈としてよく使われるのが、「ドル・コスト平均法」という言葉です。

この方法は、簡単にいうと、「つねに一定の金額で、定期的に買い続ける」というものです。結果的に、商品の価格が値上がりしていたら買える量が少なくなり、値下がりしていたら多く買えるため、ならしていけば、平均的な価格で買い続けられるということになります。

一見、理にかなっているようにも感じますが、「ドル・コスト平均法」は、逆にいえば、価格が安いとき(いわゆる、買いどき)にも買う量に上限があるし、商品が高いとき(買い控えるべきとき)にも一定額分を必ず買わなければならないわけです。

ドル・コスト平均法による損失額は?

わかりやすく、手元に6万円があるとして考えてみましょう。ここから、ドル・コスト法にならって、6カ月のあいだ毎月1万円ずつ、Aという株を購入することにします。仮にAの株価が、最初の1〜2カ月目が1株あたり500円で、3〜6カ月目は1株あたり2000円に値上がりしたとしましょう。

すると、最初の2カ月は1株500円ですから、1万円で買えるのは20株で、2カ月合計すると40株。後の4カ月は1株2000円ですから、毎月5株ずつ買うことになり、合計20株。つまり、6カ月分を合計すると、6万円で60株を購入したことになるので、1株あたり1000円の単価で株を買ったことになります。

一方で、安いときに多く買い、高いときは買い控えるという投資のセオリーにならって購入していった場合の計算もしてみましょう。

まず株価が500円だった最初の2カ月の間に、6万円を全部使って120株を買ってしまいます。そして株価が上がった後半4カ月は、いっさい買い足しません。すると当然、あなたが買った株の単価は500円となり、割安です。

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