アマゾンCEOの「宇宙追放署名」が支持を集める訳 賛同者は14万人超え…背景にある貧富の差

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リック G氏は、これまで崇高な目的を持って実行されてきたロケット開発を個人の満足感を満たすために行うことを批判したうえで、地球には食糧不足や医療問題、清潔な水さえ手に入らない人々など、さまざまな課題が残されていると指摘する。山積する問題の解決にこそ資金を投じるべきではないかというのが氏の主張だ。

アメリカ国内では医療制度の崩壊による破産も問題となっており、薬を手に入れるために食費を削らなければならなかったり、家を失ったりという家庭も多い。「どれだけ我慢すれば限界なのか、私たちは自問すべきだ」とリック G氏は述べ、一部の富豪に財が集中する社会の不合理を訴える。

貧富の差は年々拡大しており、いまや米最大の社会問題のひとつとなった。ブルームバーグは2019年の記事において、経済格差は拡大傾向にあり、現在ではアメリカの納税番付の上位0.1%が全国民の富の20%を占めている、との調査結果を伝えている。一方、社会の対極では貧困がまん延しており、下位半分の人々を合計すると、その純資産の額はマイナスになるという。

リック G氏は、「億万長者たちは依然として労働階級の人々を、突如として金に糸目をつけなくてよくなるエリート階級への踏み台として利用し、文字通り地球に置き去りにしてパンくずの奪い合いをさせようとしている」 と糾弾している。

搾取で批判の槍玉に

署名キャンペーンが多数の賛同者を集めている背景には、ジェフ・ベゾス氏の富は個人の力だけで築いたものでなく、労働階級からの搾取のうえに成り立っているとの考え方がある。ベゾス氏がCEOを務める米Amazonは、流通倉庫の劣悪な労働環境や低賃金の待遇などが労働者搾取にあたるとして、たびたび批判の的となってきた。

億万長者は何もベゾス氏だけではないが、氏が署名キャンペーンの槍玉に上がったのは、こうした無力な労働階級に付け込む行いが目立つためだろう。2019年頃には倉庫の従業員はトイレに行く自由もなく、持参した飲料ビンへの用足しや紙おむつの着用を強いられているなどとして世界各地で問題化した。今年4月には米アラバマ州の物流倉庫従業員に圧力をかけ、労働組合結成を阻害したとして物議を醸している。

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