トヨタ超小型EV「C+pod」一般に知られてない正体 2022年から一般販売「性能、使い勝手、安全性は?」

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西村:その型式指定車は、構造上の最高速度が60㎞/hに定められています(認定車は車種ごとに設定される)。以前、ミニカー規格のコムスに乗り、交通の流れが速い一桁国道などで試乗してみましたが、いちばん左の第一通行帯から、右車線の右折レーンに車線変更するのが難しかった経緯がありました。最高速度にしても、ミニカーは道路交通法上で60㎞/hと定められているのに対し、型式指定車では構造上60㎞/hとされるなど微妙に違いがあるのですね。

谷中:これまでのトヨタにおけるモノづくり同様、C+podでも安全基準を最優先しています。超小型モビリティの基準が国から示された2020年秋の段階で、制限される(=走行できない)道路が明確になりました。そのなかでC+podは短距離用途であること、2人乗りであることを第一条件に、自動車専用道路や高速道路での走行は考えず、いわゆる一般道路における法定速度のなかで最高の性能が発揮できるよう、製品としてまとめ上げています。

最高速度は60km/h、一充電走行距離は150km

西村:国の示す「構造上」という解釈からすると、型式指定車の最高速度は60㎞/h以下ということから、車体後部に60㎞/h以下の車両であることを示すステッカーを貼る義務があるようですね。

谷中:はい。C+podでは車体後部のリヤガラス右下付近にステッカーを貼っています。

西村:改めて、必要となる運転免許証についてお聞かせください。公共交通機関が減少傾向にある一部地方では、運転免許証を返納された高齢者の運転にも期待が寄せられているようですが、いかがでしょうか。

谷中:C+podの運転には、普通運転免許が必要です。よって運転免許証の返納後は運転することができません。一個人の気持ちとして、そうした声があるのはわかるのですが、現時点ではむずかしいと考えます。やはり運転操作は個々の能力によるところが大きく、さらに環境や制度など総合的な議論が必要ですので……。

自賠責は軽自動車扱い

西村:つぎに保険制度について伺います。まず、自賠責保険はどうなりますか?

倉知:現時点では軽自動車扱いになると聞いています。

西村:実際に公道で走行するとなると、他のナンバープレートが交付された乗り物と同じく自賠責保険とともに、任意保険である自動車保険の契約も不可欠です。C+podは2022年以降、一般ユーザーに向けても販売を開始するとすでに公表されていますが、たとえば自動車保険ではファミリーバイク特約が超小型モビリティを含むとするならば、車両普及の後押しになるかもしれませんね。現に、排気量125cc(90cc)以下、あるいはモーター定格出力1.0kW(0.8kW)以下の、ピンク色(黄色)のナンバープレートを装着した車両は第二種原動機付自転車と指定されていますが、これらはファミリーバイク特約が適合されることから重宝され、近年、販売台数を伸ばしています。

倉知:個人的な考えとして、C+podに限らず、これからの実績次第で超小型モビリティ向けとして専用の自賠責保険料が設定される可能性は考えられます。いずれにしろ、ユーザーの皆さまにとって利便性の高い制度となるよう期待しています。

次ページ限定販売からスタートした経緯
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