中国の国家市場監督管理総局(市場監管総局)は6月26日、アメリカの電気自動車(EV)大手のテスラが届け出たリコールの情報をウェブサイトで公表した。対象は小型セダンの「モデル3」と小型SUVの「モデルY」の2車種で、合計28万5520台。走行速度の自動制御システムであるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)に不具合があり、特定の状況下で車両が急加速することがありうる、としている。
より具体的には、リコール対象車のシフトレバー(訳注:ACCのスイッチを兼ねている)がドライブレンジに入っている状態で、ドライバーがシフトレバーを動かした場合、または誤ってシフトレバーに触れて動かしてしまった場合に、ACCの誤作動が起きうるとしている。
また、誤作動が起きたとき、ACCに設定していた速度がその時点の走行速度もより速いと、車両は急加速を始める。するとドライバーが動転してしまい、最悪の場合には衝突事故を引き起こす可能性があるという。
テスラは市場監管総局より遅れてリコールを発表
ACCは自動車の運転補助システムの1種で、スイッチを入れると、車両はドライバーがあらかじめ設定した速度の範囲内で走行スピードを自動調整する。前方を走るクルマが減速しても、(自動的に速度を落として)安全な距離を保ちながら走行を続けることができる。
テスラは市場監管総局よりも、やや遅れてリコール情報を公表した。それについて同社は「自発的にリコールの届け出を行い、それが市場監管総局に受理されたタイミングで発表した(ために市場監管総局より公表が遅れた)」と釈明した。
今回のリコールは6月27日から実施する。テスラによれば、ACCの改善はインターネット経由で車載ソフトウェアをアップデートするOTA(オーバー・ジ・エアー)方式で行い、リコール対象車をディーラーに持ち込む必要はないという。今後同社は、ACCが作動する条件を見直し、起動時と終了時に警告を出す機能も追加するとしている。
(財新記者:劉雨錕)
※原文の配信は6月26日
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