ディズニーを輸出せよ、日本発「ツムツム」 日本独自のキャラクターが世界へ
ツムツムだけではない。すでに日本から世界に発信されたディズニー製品は意外に多い。代表例はスクウェア・エニックスと共同開発した、ゲームシリーズ『キングダム ハーツ』だろう。世界累計2000万本以上。英語版の制作に当たっては、台本から声優の配役、各種承認まで、日本の開発チームが全面的にかかわった。
また、映画『スパイダーマン』や『アベンジャーズ』の米マーベル・エンターテインメントや、『スター・ウォーズ』の米ルーカスフィルムなど、ここ数年ディズニーが大型買収した企業のキャラクターを活用し、日本でゲームやアニメの開発も積極的に手掛ける。
日本の開発手法には二つの特徴がある。一つはディズニーという、米国発のキャラクターを日本流に解釈し、洗練させていることだ。ツムツムはディズニーキャラクターがお手玉型にアレンジされ、裏面がスマホ画面ふきという実用性も兼ねている。海外製を輸入、それを日本流に作り上げ輸出する過程は、日本の製造業のアプローチに通じる。
有力日本企業とタイアップ
もう一つが各分野で有力な日本企業とタイアップしていること。ゲームではLINE、スクエニのほか、DeNAやバンダイナムコゲームス、コナミなどと共同開発。アニメでもマッドハウスなどの制作会社とコラボする。
こうしたアプローチは米国本社の戦略にも影響を与え始めている。ディズニーは放送、映画、ライセンスグッズ、テーマパーク、そしてネットやゲームを手掛けるインタラクティブ、の5部門を展開する。このうちインタラクティブ部門は長く赤字が続き、人員削減を余儀なくされてきた。米国で買収したゲーム会社が低迷するなど、「急速に変化するビジネス環境についていけなかった」(バード氏)。
ただ現在では、日本発スマホゲームの貢献もあり、同部門は3四半期連続で黒字に転換。今後は買収にこだわらない日本流のコラボ戦略が主流になる可能性がある。
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