評価額2億円!幻のバイクを持つ男のスゴい半生 世界に1台のみドゥカティ社「アポロ」を公開

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バイク収集が進んだ1993(平成5)年、NHK主催の「世界のモーターサイクル歴史展」に協力。福岡市博物館を皮切りに全国を巡回してバイク好きに楽しんでもらった。

そして1998(平成10)年、地元の宝珠山村で「世界のモーターサイクル展」を行う。「小さな村に人が来るのか?」と不安だったが、50日間の予定を2年間に延長するほどの大盛況だった。

「経営している自動車部品工場の前は国道211号で、高度経済成長の時期は車が通ってみんなあちこち遊びに行っていたけれど、宝珠山村には停まらない。この車をいつか村に停めてやると思っていた」

人口1800人の村に2万人以上が訪れる

その思いが叶った。テレビ、雑誌、ラジオなどあらゆる媒体で取り上げられ、多い日は1日約300名、初年度は約2万3000人が訪れた。人口当時約1800人前後の小さな村に、これだけの人たちがわざわざ訪れたのだ。

「2年目になると客足が落ち着いたけど、村でやってよかった。そのあとぼちぼち湯布院で始めますって、本格的な博物館の準備を始めました」

2000(平成12)年に建設に着手し、2001(平成13)年8月に「岩下コレクション」をオープン。宝珠山村の「世界のモーターサイクル展」でスタッフを務めてくれた田代和子さんが館長になった。平成不況と重なり資金調達に苦労したが、中古ユンボを購入して自ら土地を造成、スタッフと協力しながら造り上げた。

ペンキ塗りをする田代館長(写真:岩下洋陽)

それにしても、宝珠山村、湯布院、いずれも拠点としたのは都心部ではない。そのような場所をあえて選んできたのだろうか。

「モノは何でも東京に揃うし、一極集中じゃないですか。だから、東京や世界から人が来る場所を九州に造りたくて。反骨精神みたいなもん」

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