NYダウや日経平均はこのまま下落してしまうのか

FOMC後の「市場の動揺」をどう考えればいいのか

その後は、ジェローム・パウエル連銀議長が「粘り強く金融緩和を継続する」と語り続けたことなどから、長期金利は落ち着いて推移したが、代わってインフレ懸念が騒がれた。景気回復の強さがさまざまな製品の需給を逼迫させ、物価を押し上げて、経済に混乱をもたらしかねないとの不安だった。

とくに4月分の消費者物価指数が5月12日に発表され、その前年比が4.2%上昇と、3月分の2.6%から大きく伸びを高めた際は、市場に不安が広がった。

こうしたアメリカ経済の強さを背景とした、長期金利上昇懸念やインフレ懸念が、市場で取りざたされてきたわけだが、それがFOMCの2日目(16日)にクライマックスに達したとも考えられる。

FOMCでは3カ月に1度、FOMCの参加者たちによる景気や物価、金利水準の予想値が公表される。それによれば、前回3月の時点では、全参加者18人のうち、2023年の金利予想において利上げを見込む向きが7人だったが、今回は13人に増え、過半となった。これが「連銀が利上げを急いでいる」との解釈となったわけだ。

こうした金利予想値の上方修正を受けて、FOMCの決定直前には10年国債利回りは1.48~1.49%であったものが、その日のFOMC後には1.58~1.59%にハネ上がった。このため、NYダウやナスダック総合指数は前日比で下落し、日米金利差拡大の思惑から、ドルは対円で1ドル=110.70円近辺に上昇した。

一転、今度はアメリカの景気悪化懸念?

ところがアメリカの証券・金融市場の様相は、先週の17日から一気に変貌した。いや、株価指数が下がり続けているだけで何も変わっていない、と思う方もいるかもしれない。

しかし株式市場では、景気敏感株に売りがかさみ、このためNYダウは連日下落し続けている。一方、ハイテク株には買いも入ったため、ナスダック総合指数は17日にはいったん前日比で上昇をみせた。景気敏感株への売りと歩調を合わせるように、10年国債利回りは、週末の18日には1.44%近辺にまで低下した。これがドルの対円相場を抑制し、1ドル=110.25円辺りに反落している。

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