商品ブームに陰、なぜリスクオフは起こったか 中国主導の需要抑制と米金融当局の利上げ示唆

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商品ブームと言われているにもかかわらず、一部の商品相場は今年の上げを既に吐き出し、今後そうなりそうな市場も幾つかある。

インフレ懸念鎮静化がマイナス材料に

シカゴ商品取引所(CBOT)の大豆先物相場は2021年に入ってからの上昇分を失い、5月に付けた8年ぶり高値から約20%安。トウモロコシと小麦も数年ぶりの高値から下げに転じている。ブルームバーグ穀物スポット・サブ指数は17日、09年以来最大の下落率となった。白金も年初からの上げを消し、一時急伸していたニッケルや砂糖、材木も失速した。

FOMC前にインフレ懸念一過か、銅やトウモロコシなどが上昇一服

今週は一部の商品市場にとって、中国のインフレ抑制に向けた取り組みに加え、米金融当局が想定より早期の利上げ開始を示唆したことが打撃となった。ドルが上昇する中、ブルームバーグ商品指数は週間ベースで新型コロナウイルス禍が始まって以来の大幅な下げとなりそうだ。

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