中学受験or高校受験「わが子との相性」の見極め方 「難関国公立大への進学に有利か」の観点で検証

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④精神年齢の高さ

難関中学受験では、受験生の幼さに問題の難易度の高さなどの条件が重なるため、当日のコンディションに結果が左右されやすい面があります。その日の気分に左右されず、安定して実力を発揮できる子が有利なのは否めないでしょう。

また、必要な学習量も多くなるため、そのときの気分にかかわらずコツコツと勉強できる子が有利だと思います。これらを端的にいえば、「精神年齢の高い子が有利」ということです。

学力は高くとも精神年齢がともなっていないようなら、中学受験の枠にとらわれずに、好きな科目で中学・高校の学習内容を先取りするほうが、難関大学合格に近づけるということもあるのではないでしょうか。

⑤内申重視地域の場合、内申点が取れる子かどうか

公立高校入試では内申点がかかわってくるので、5教科の勉強以外のことも器用にこなしたり、空気を読んで先生に気に入られたりすることが得意な子が有利になります。

体育や音楽が極端に苦手だったり、タイミングよく発言することが苦手だったりするタイプの子は、いくら学力が高くても公立トップ校に合格するのが困難ということがありえます。

『学習の作法 中学受験・中学入学準備編 (小学校4年生~6年生向け)』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

ただし、最近は横浜翠嵐高校や札幌南高校のように、内申点を考慮せず入試の点数だけで合格者を決める枠を設けているケースもあります。中学受験を選ぶかどうかを考える際には、地元の高校入試の制度を把握しておくことをおすすめします。

単に内申点の割合だけでなく、高校入試問題の難易度も重要な要素です。

公立高校のレベルは低くないのに入試問題が簡単だと、合格に必要な得点が極端に高くなってしまい、学力では差がつきにくいからです。

一方、東京や大阪では入試問題が難しいので、内申点が多少低くとも十分挽回可能であると考えられます。中学入試の国語や算数と違い、高校入試の英語や数学はしっかり勉強ができていれば得点を安定させやすいので、トータルの勉強量を確保できそうなら、最初から公立トップ校狙いというのも悪くないと思います。

天流 仁志
てんりゅう ひとし / Hitoshi Tenryu

1982年北海道生まれ。東京大学法学部卒。教育水準が低いとされる地元の公立小中学校から鹿児島のラ・サール高校に進学、学力の地域格差への問題意識から受験技術の研究を始める。高3では全国模試でTOP10に入る成績を連発。東大入学後も通信指導を含む複数の塾・予備校でさまざまな学力層の生徒を指導、受験技術研究を重ねる。現在はGLS予備校の教務主任として、札幌の教室と通信添削コースで少数の生徒を指導しながら、最新の研究を反映したカリキュラムやオリジナル教材を作成している。天流仁志の受験情報ブログも運営。著書に『学習の作法(増補改訂版)』(中高生向け)、『親と子の最新大学受験情報講座(文系編)』 (ディスカヴァー)など。

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