なぜ日経平均はNYダウに比べ「出遅れて」いるのか ワクチン相場に期待、今後は再度浮上も?
さて、こういうと少しビックリされるかもしれないが、「日経平均はアメリカ株に対して必ずしも出遅れていない」とも言える。
以下は日経平均(緑)とナスダック総合指数(赤、以下ナスダック)を比較したチャートだ。
ここでも2021年1月4日の株価をそれぞれ100としている。ナスダックは同日が1万2698ポイントなので、6月11日の1万4069ポイントは110.8(年初来10.8%上昇)になる。2つを比較すると、ナスダックと日経平均はほぼ連動しているようにみえる。
ナスダックは日経平均の「先行指数」?
3~5月にナスダックが日経平均と同じようなボックス圏の動きとなったのは、①アメリカの長期金利(10年国債利回りなど)が昨年夏をボトムに3月末にかけて急上昇してきたこと、②ビットコインが4月6万400ドルをピークに5月は3万ドル前後まで急落したことなどによる。
アメリカの10年国債利回り(NY終値ベース)を見ると、今年の1月4日時点は0.916%だったが、1月末1.062%、2月末1.437%、3月末1.743%と急上昇してきた。3月末に高値1.743%(NY終値ベース)をつけた以降は、6月3日の1.623%までは下限レンジである1.54%を割らずに1.60%近辺で高止まりしてきた。
ナスダックはS&P500やNYダウと比較して、PER(株価収益率)などの指標面が高いグロース株の構成比率が高い。日経平均もソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、東京エレクトロンなどの値がさ株の構成比率が高い。そのため、アメリカの長期金利上昇にネガティブに反応するナスダックと日経平均は、今年1月以降、6月3日まで同じような値動きになっていたのだ。
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