「日経平均は緩やかに上昇」との予測を変えない訳 投資家が気になっている4つの質問に答えよう
「またか」と言われそうだが、結論から言えば、筆者の株価見通しはこのところ、まったく変わっていない。
5月前半の急落で、日米など主要国の株価は短期調整を完了したと考えている。今年末に向けては、世界的な景気や企業収益の持ち直しに沿った緩やかな株価上昇基調を予想している。
こうした株価上昇を見込む背景には、「主要国の金融政策が、少なくとも今年中は現在の緩和を維持するだろう」と考える点もある。
なお、筆者はラジオなどのメディア出演時には、当該番組のホームページ上で質問を受けつけるなど、可能なかぎり番組内で回答している。また、当方が主催するセミナーでも毎回多くの質問を頂戴する。
そこで今回は、最近多くの方から寄せられるものの中から、とくに関心が高いと思われる質問を、当コラムの読者の方々にご紹介したい。
「弱気派」から「強気派」に転向したわけではない
まずいただくのは「いつから強気派になったのか」という質問だ。「馬渕さんは、これまで『日経平均株価は2万7000円に下落する』といった、悲観的な見通しをずっと語ってきました。しかし最近では3万円を超える、と言い始めました。なぜ見通しを変えて、弱気派から強気派に転向したのか」というものである。
当コラムを継続してお読みの方は「筆者が見通しを変えていない」ということはおわかりだろう。つまり「まず2万7000円近辺に日経平均が下落し、その後は景気回復に沿った株価上昇基調に入るだろう」との主張だった。想定どおり短期の日経平均下落シナリオが実現したから、その後の株価上昇期間に移行した、と考えているにすぎない。
こうした質問を寄せる方は、例えばこの東洋経済オンラインのコラムを含め「記事のタイトルしか読んでいない」という人が多いようだ。もしくは、多くのマスコミの専門家の解説を見聞きして「当面株価が上がるのか下がるのか、そして指数などの見通しはいくらになるのか」というところしか関心がないのだろう。
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