われわれはカリフォルニアとニューヨークをベースにやっているんですが、各国のクリエーターたちとやりとりをしなくてはいけないということで、ShotGrid(旧Shotgun)というソフトウェア(エンターテインメント業界を中心に幅広い業種で採用されている制作管理ツール)を使って、意思疎通を図りました。各国でできあがった素材をすべてそこにアップして、そこをハブにして、お互いに情報交換をする場にしたわけです。
例えばCGチームがあるショットをそこにアップすると、その素材を入江監督がチェックして、コメントをつける。そしてそのコメントを翻訳チームが英訳してくれるので、そのメモを見たアニメーターの皆さんが、それをもとに調整する……ということが繰り返されました。もちろん翻訳チームは日本語と英語だけじゃなく、中国語の翻訳も必要でした。そういうふうにして意思疎通を図っていきました。
それともう1つ付け加えるならコンセプトデザインやキャラクターデザイン、メカの設定などの初期設定は、あらかじめ日本サイドで固めたということもあります。入江監督は本当にプロフェッショナルで、非常に整理整頓がうまい方なので、準備段階からスムーズにやってくれました。なので、非常に感謝しています。
これからもオンラインで制作していきたい
――今回のオンラインを通じて意思疎通を図るという制作スタイルは、もちろんコロナ禍を想定して構築されたものではないとは思いますが、期せずしてコロナ後のアニメ制作を見据えたものになったようにも思うのですが。
おっしゃる通り、これは本当にたまたまなんですが、完全にリモートで作るという点では結構うまくいきました。ですからこれからもこういう形で制作していきたいと思います。
ただし、スタジオに直接足を運んで制作するということのよさもあります。今はパンデミックの影響もあり、リモートでの働き方も受容されるようになってきたので、こうしたリモートでの制作スタイルは、今後もオプションの1つになるんじゃないかなと思っています。
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