――この作品は、ジャスティンさん自身の体験が色濃く反映された作品だそうですね。
その通り。非常に個人的な思いがあって作った作品です。最初のバージョンの構想を練ったのが1998年ともうだいぶ前のことになります。ちょうど大学を卒業した直後でしたが、その頃は環境問題が話題にのぼっていた時期で、人間が文明にどういう影響を与えるのかということが論じられていました。そういうところから着想して、人類が滅亡したらどうなるだろうというのが、最初の着想だった。それをずっと温めてきたわけです。
――そこから20年近く企画を温めてきたそうですね。
Production I.Gで働いていた頃に、櫻井さんとこの企画について話したことがありました。そういった経緯があって、ようやく実現にこぎつけたわけですが、その間に自分でも業界の中で経験を積み重ねてきました。かつ自分にも子供ができて、親となったということも大きかったかなと思っています。
最初のうちは、親であるというのはどういうことなのかが自分自身でもわかっていない状態で企画を書いていた。でも今は、親になるというのはどういうことなのかがわかったうえで語ることができる。ある意味、自分が親になるまで、作品が待ってくれたような感覚ですね。
――この作品のために世界中のトップクリエーターが集まったわけですが、それはある種「アベンジャーズ」のようにも感じたのですが。
自分はアメリカで活動しているので、いつでも世界屈指の人たちを集めるんだという気持ちがあるんですが、今回の『エデン』の場合は、やはり魂は日本のものであってほしいというのが大前提としてありました。いろんな国からクリエーターを集めて、そのクリエーターの視点を取り込みながら作っていきたいんだと。
最初は彼らをまとめるのはもっと難しいのかなと思っていたんですが、案外やりやすかったですね。彼らはみんな日本のアニメーションが大好きですから。本当に良いチームだったんだなと思います。
みな日本のアニメが大好き
――とはいえ、日本人、アメリカ人、フランス人、オーストラリア人、中国人、台湾人など多国籍なスタッフ編成となっているので、意思疎通、コミュニケーションをしっかりととらないといけなかったのではないかと思うのですが。
おっしゃる通り、最初はけっこうナーバスになっていましたね。なんせ3カ国語を使って制作しないといけないし、いろんな国からクリエーターが参加しているので。これは難しいかもしれないなと思ったのは事実です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら