「スタンド・バイ・ミー」は駄作扱いだった衝撃事実

「当たるはずがない」と多くの会社が配給拒否

映画『スタンド・バイ・ミー』のヒットはあまりにも意外なことだった(写真:Everett Collection/アフロ)

5月28日の『金曜ロードショー』での放映をきっかけに、映画『スタンド・バイ・ミー』が日本であらためて話題に上った。久しぶりにテレビで見て、「やはり良い映画だなあ」と感慨にひたった人も多いのではないだろうか。

この映画がアメリカで公開されたのは1986年8月、日本公開は翌1987年4月。公開から35年も経って、今なお人々を感動させるのだから、間違いなく名作のひとつだ。

しかし公開前、この映画にそんな未来があると予測した人はいなかった。それどころか、どのスタジオからもそっぽを向かれ、配給がつかずにお蔵入りしそうだったのである。

この映画の配給を断った人たちは、リバー・フェニックスがこれから注目のスターとなることも、ロブ・ライナーが監督として素晴らしいキャリアを築いていくということも思いもしなかったのだ。

オーナー企業の都合で製作中止の危機

そもそも、今作は出だしから苦戦を強いられている。スティーブン・キングが書いた原作の映画化権を獲得したのは、プロデューサー兼脚本家のブルース・A・エヴァンスとレイモンド・ギデオン。彼らはこの企画をあちこちの映画会社に売り込むも「ヒットするはずがない」とにべもなく断られた。

東奔西走したのち、ようやく製作配給会社のエンバシー・ピクチャーズに受け入れてもらえたのだが、撮影開始直前となって同社はコロンビア・ピクチャーズによって買収。当時のコロンビア・ピクチャーズのオーナー企業であったコカ・コーラが「無名の若い俳優ばかりの映画など要らない」と、切り捨ててしまった。

その窮地から救ってくれたのは、エンバシーのオーナーのひとりだったテレビプロデューサーのノーマン・リアだった。彼は監督のロブ・ライナーが俳優として出演した人気テレビ番組『All in the Family』のクリエイターでライナーの師匠のような存在だったのだ。

ライナーのことも、彼の視点で書き直された『スタンド・バイ・ミー』の脚本も気に入ったリアは、製作予算の750万ドルを自分の懐から出資し、映画はなんとか予定通り撮影に入ることができたのである。

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