「ゆったりした所作の人」が周囲の信頼を得るワケ ビジネスパーソンとしての品位が見られている

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「朝、起きて家族にあいさつしましたか?」

ビジネスマナー研修を行う際、私が必ずする質問です。大半の人が、「毎朝、きちんとあいさつしています」と答えます。

CA時代、早朝の国内線に乗務するといつも感じることがありました。東京─大阪間など早朝のビジネス路線のお客様は、9割以上がスーツ姿のビジネスパーソンです。早朝で仕事前ということもあり、ピリピリした緊張感が漂っています。CAにとって、少し気を遣うフライトなのですが、ご搭乗時だけは、さわやかに元気よくお出迎えします。

一流のビジネスパーソンのあいさつ

ではCAのあいさつに対して、どのくらいの方があいさつを返してくださるでしょうか?

キチンと数えたわけではありませんが、「おはようございます」という言葉に対して、「おはようございます」と返ってくる人数は、400名中だいたい3~4名といったところです。会釈する方、無言で頭だけ下げる方、「どうも」と言ったり、「あぁ」という感じでうなずく方など、何らかのアクションを返してくださる方はいらっしゃるのですが、キチンと声に出して、「おはよう」と返してくださる方は、驚くほど少ないのが現状です。

ビジネスマナー的に言うと、これらはあいさつとは言えません。「おはようございます」と言われて「おはよう」と返すのは、ただの「返事」です。

『どんなストレス、クレーム、理不尽にも負けない 一流のメンタル 100の習慣』(朝日新聞出版)書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

「あいさつ」は「明るく」「いつでも」「先に」「続けて」とゴロ合わせで言われるように、これらの要素がなければ「あいさつ」ではないのです。

「明るい」声と「明るい」態度で、気分が乗った時だけではなく、「いつでも」、目下の者からあいさつしてくるのを待つのではなく、誰に対しても自分から「先に」、そしてそれを「続けて」行うことが、「あいさつ」です。

また、ビジネスパーソンであれば、あいさつ時は「立つ」ことも忘れずに行いたいものです。立場が上になると、部下があいさつや相談に来ても、自分は座ったままという人がいます。しかし、これは尊大な印象を与えます。

自分と相手の立場にかかわらず、誰に対しても「あいさつ時は立つ」だけで、周りに与える印象はぐっと変わります。私がファーストクラスでチーフパーサーをしていたとき、ある著名な建築家の方はフライト前に席にごあいさつに伺うと、必ず立ち上がってごあいさつを返してくださり、その気遣いに毎回、感動していました。

日常的に行っている「あいさつ」ですが、「明るく」「いつでも」「先に」「続けて」を意識し、「あいさつ時は立つ」を習慣にすることは、超一流のビジネスパーソンほど身につけているものです。

山本 洋子 接遇研修講師・キャリアコンサルタント

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やまもと ようこ / Yoko Yamamoto

株式会社CCI代表取締役。元日本航空国際線チーフパーサー、客室マネージャー。 25年間JALに在籍し、国際線チーフパーサーとしてファーストクラスを担当。海部元首相や天皇陛下特別便、MLB選手チャーター便等など、国内外のVIPに接してきた。その間、客室訓練部での教官、CA採用面接官などを務め、サービス品質企画部ではCA評価システム構築に携わり、のべ6000人超のCAの査察評価・育成にあたる。 退職後は 外資系保険会社にて7年間コンサルティング営業に従事。2018年「株式会社CCI」を設立。ビジネスマナー研修や、経営者のためのサロン、キャリア育成講座など幅広く展開する。HP

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事