「ゆったりした所作の人」が周囲の信頼を得るワケ ビジネスパーソンとしての品位が見られている

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多忙な日常業務の中で、つい粗雑に物を扱ったり、乱暴な振る舞いをしたり、バタバタと慌ただしさを漂わせてしまいがちですが、そんなときこそ、「ゆったり」した動作を心掛けることが必要です。焦る気持ちや急ぐ気持ちが所作に表れてしまうのは、二流の人です。一流のビジネスパーソンは、どんなに急いでいても、心の中がどんなに焦っていても、動きに心のうちを反映させません。ゆったりした動きの中にこそ、人を引きつける品位が表れ、それがあなたの信用度をさらに高めてくれることになるのです。

「手添え」の技術が、ステータスをあげる

みなさんは「手添え」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか? 言葉どおり、手を添えることを意味するのですが、何に手を添えるのでしょうか?

これは、CAの世界でよく使われる言葉なのですが、例えば、お客様にお水をお出しするとします。お水の入ったコップをお客様のテーブルに置くのですが、コップを置いたあと、コップから手を離すとき、サッと引き払うように手を離すのではなく、少し余韻を残すように手を添えてから、ゆっくりと手を離す動作のことを「手添え」といいます。手を添えるのは、時間にして1~2秒ほどでしょうか。

これは、CAの接客上のテクニックにとどまりません。日常生活の中で、人に何か物を手渡すときや、物を置くときなど、意識して「手添え」を行うだけで、相手に与える印象が変わってきます。

人に何かを渡した後、相手から手を引くときの所作には、無意識のうちに気持ちが表れます。いかに丁寧にお渡ししても、そのあとサッと素早く手を引っ込めてしまうと、いかにも汚いものに触れたかと思っているように、相手に伝わってしまいます。

「手添え」は単に手を添えるということだけではありません。手を添えることで、「相手に心を残す」という意味も含まれているのです。ほんの1~2秒、手を添えることで、相手に丁寧に向き合っているという気持ちが伝わります。

CAの動きが優雅で洗練されて見えるのは、そんな小さな手の動きまで神経を届かせているからです。心や気持ちは、目には見えません。だからこそ、気持ちを形に表すことが必要です。おもてなしや相手がホッとするような瞬間は、「手添え」から生まれます。言われなければ相手は気づかない「手添え」ですが、ほんの数秒、手と心を添えることで、あなたのステイタスは確実に押し上げられます。

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