「日本の漫画」がコロナ禍もフランスで好調の理由 巣ごもりでアニメ視聴機会増えグッズが売れる
コロナ禍の制限がある中で、“箱”を基本としてきたパリ日本文会館が目を向けたのは、これまでの交流の中で積み重ねてきたつながりを使っての、映像による文化紹介だった。アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門審査員賞を受賞した片渕須直監督や、アニメーターのりょーちも氏などのインタビュー映像を制作し、フランスの日本文化ファンに向けて公開した。
公的機関であるパリ日本文化会館には2つの意義があるという。1つはフランスにおける需要を汲んで、それらをサポートすること。しかし需要がある分野は、公的機関のサポートがなくても商業的に盛り上がることは多い。
そのため、そこだけに偏向するのではなく、公の機関だからこそできる、サポートが必要な新しい人や分野にスポットを当てることにも力を入れている。「コロナ禍を経てこれらに、実地だけではなくオンラインでもどのように取り組んでいくかは、今後も試行錯誤が続きます」と鈴木さんは言う。
フランスはヨーロッパにおける戦略拠点
これら取材を通して共通するのが、日本のポップカルチャーにおいて、フランスはヨーロッパにおける1つの戦略拠点になっているということだ。
バンダイフランスの西山さんは「ヨーロッパの中だと、フランスがもっとも進出が先行している。フランスは見本となる市場であり、ここでの成功事例を他の国にも当てはめられるようにしたい」と語る。
パリ日本文化会館の鈴木さんは「19世紀後半にフランスでジャポニスムが興ったように、日本とフランスは文化的な親和性があり交流を広げてきた。フランスの事例は1つの理想的なストーリーとして、他国との交流を考えるうえでもモデルになるのでは」と述べる。
日本のポップカルチャーの広がりと手段について、コロナ禍においてもここフランスが、ヨーロッパでも海外での1つの流れを作っている。
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