俳句のプロたちが本気で語る「要素配分の黄金比」 総重量「2.0」を一句の中で分け合う?!

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今回のテーマは「詰め込みすぎの解消でランクアップ」です(写真:CORA/PIXTA)
TBS系テレビ番組「プレバト!!」の人気もあって、俳句に関心を持つ人が増えています。「NHK俳句」の選者をつとめる岸本尚毅さんと、「プレバト!!」の夏井いつきさんに、俳句上達の秘訣を直撃。
今回のテーマは「詰め込みすぎの解消でランクアップ」。岸本尚毅さん・夏井いつきさんの新刊『ひらめく!作れる!俳句ドリル』から一部抜粋してお届けします。

一句の中に、「キーワード」は1つ

岸本:一句の中に使う「キーワードはいくつ?」という問があるんですね。

夏井:キーワードって……要素のこと? 私は、メインは1つだと思うんだけど。

岸本:たとえば、刺身の盛り合わせだったら、赤身と白身とイカとか、単品の卵料理だったらオムレツとか、カレーの肉は1種類であとは野菜だとか、料理には統一感や中心の素材があるんですね。俳句も同様に、まず中心は1つと決めたほうがいいでしょうか?

夏井:「豚肉」というキーワードが1つあったとき、「生姜焼き」なら生姜は出てくるけど、豚肉ありきの生姜焼きだし。さっとお湯をくぐらせて大根おろしとポン酢でいただくのだって、主役は「豚肉」。小さな付け合わせや調味料は、俳句の音数でいえば三音分の味付けなわけですね。実はその三音分が「えっ、ここでキムチ!?」みたいに強烈だと、そこに食いついてくる人もいる。

だから「キーワードはいくつ?」と聞かれたら、やっぱりキーワードはひとつで、そこにスパイスとか調理法とかが、三音分ぐらいの個性になっていくという感じかな。

岸本:一般的に、題詠は1つの言葉です。1つの言葉に補助的な言葉を組み合わせて一句に膨らますわけで、取り合わせといっても「1」があっての「2」だと言ったほうがわかりやすい。あと、季語については、季語を添え物として使う場合と、季語=キーワードの場合と両方あります。また、キーワードは名詞以外もあるかもしれませんが、基本は名詞ですね。

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