ワクチン陰謀説を信じる人を強く煽る恐怖の正体 生物兵器、DNA改変、死ぬなどの情報が出回る訳

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ネット情報が真実を語っていると思い込んでしまったら……(写真:Kayoko Hayashi/iStock)

諸外国に比べて出遅れが目立っていた、日本の新型コロナウイルスワクチン接種。菅義偉首相は「1日100万回接種」を目標に掲げ、自衛隊運営の大規模接種センターもスタートした。少しずつペースは上がってきているようにも見えるが、必要な人に行き渡るまでにはまだまだ相当な時間を要する見込みだ。

そのコロナワクチンをめぐる不穏な動きが一部で見受けられる。ワクチンが人口削減のため生物兵器だとする陰謀論や、ワクチンがヒトDNAを改変するといったデマの流布である。パンデミックの初期にコロナによる健康被害や死亡率、あるいは治療や予防に関する誤った情報が拡散され、多くの人々の恐怖心を煽ったのとまったく同様に、今後の感染症対策全般において悪影響を与えかねない。

ワクチンめぐる陰謀論やデマに深入りする人も

ソーシャルメディア上では、「コロナワクチンを接種すると5GやBluetoothに接続される」という説がまことしやかに取り沙汰され、「コロナワクチンは秘密結社が世界支配と人類削減を進める手段だ」と固く信じている人もいる。YouTubeやTikTokなどの動画コンテンツを目にしたことをきっかけに深入りするパターンが目立つ。インフルエンサーが誘導している例も多い。

ある自民党の地方議員は、「ワクチンは殺人兵器」「打つと5年以内に死ぬ」などと主張。自身のフェイスブックでそもそもコロナは「架空のもので、真犯人は『インフルエンザ』や、電子レンジに近い周波数の移動通信システム、携帯電話で使う電波の『5G』」だと断定している。投稿には毎回数百のリアクションが付き、広範囲にシェアされている。

すでに欧米では、パンデミックの初期の時点でこのような「コロナは存在しない」といった認識をコロナ否認主義(COVID-19 denialism)と呼び、ソーシャルメディアを介して感染症対策の弱体化を目論む情報戦の一種とみて、公衆衛生上の危機を助長する恐れがあるとして注意を促していた。

コロナ否認主義の立場からすれば、「存在しないウイルスのためのワクチン」と捉えるしかないのだから、「何が入っているかわかったものではない」となる。それゆえマイクロチップなど(わたしたちの生命を脅かすと思われる諸々の物質)の埋め込みなどがありうると想像され、マイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツなどが黒幕とされてしまうのである。

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