車両お披露目「宇都宮LRT」、喜び一色でない現実 インフラ整備も進みつつあるが事業費大幅増加
乗降用のドアは1編成あたり片側4カ所で、すべてのドアに乗車・降車用のICカードリーダーを設置した。芳賀・宇都宮LRTは、従来の路面電車やバスのように運賃支払いに時間がかかるのを避け、速さや定時性を確保するためにICカード利用を主体とする想定だ。カードリーダーはスムーズな乗降のため、角度や配置などを工夫したという。
車内は外観と同様、黄色とグレーを基調としたデザイン。座席は50人分あり、向かい合わせのボックスシートを主体として各車両に1カ所ずつロングシート型の優先席を設けている。1人当たりの座席幅は450mmで、座り心地は柔らかめ。吊り手は一部に木をあしらい、「輪になった部分だけでなく、その上の部分も握りやすくした」デザインだ。
すでに8編成目まで製造着手
このほか、バリアフリー対応として車いすスペースを先頭車両に各1カ所設置。ベビーカーや自転車などを置けるフリースペースも中間車両に1カ所設けた。また、車内の換気システムは2分程度で空気を入れ替えることが可能。開発当初からの設計というが、コロナ対策として重要な意味を持つことになった。
製造は新潟トランシスが担当し、価格は1編成当たり約4億円。宇都宮市やメーカーの担当者によると、車両はすでに8編成目まで製造に着手済みで、2023年の開業時までに全17編成が揃う予定だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら