豊田通商、「近大マグロ」をビジネスに 近畿大学と協力、クロマグロの卵から稚魚まで育成

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ではこの取り組みがうまくいけば、マグロを安く食べることができるのか。

稚魚の輸送段階での死亡率を減らすことで多少の効率改善は見込めるものの、養殖マグロ、しかも完全養殖となれば、3年間丸々のえさ代ほか、莫大なコストがかかっている。コストという意味では、天然モノよりも確実に高い。しかも、高い品質とブランドを保つ近大マグロは、高級品だ。一方、完全養殖が増えてこなければ、天然マグロも養殖マグロも数が激減し、価格が高騰する可能性は高い。

結論としては、非常に安くなることはないかもしれないが、価格が暴騰し、まったく手が届かなくなるという事態を防ぐ、一助にはなるだろう。おいしいマグロがこの先も食べられるか。消費者にとっても関心はつきない。

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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