何歳からでもチャレンジできるコミュニティを

トレイルブレイザーとライフシフトからの学び

私は幼少期をアメリカで過ごし、父は商社勤務、母は専業主婦という家庭で育ちました。男女差別を感じたことはありませんが、貧富の差は強く実感していました。私たちが不自由なく暮らせるのは、父が稼いでいるからで、もし父に何かあれば終わりだと感じていましたから、自分が経済的に自立しなければ、という意識が小学生の頃から芽生えていました。

井口恵(いぐち めぐみ)/Kanatta代表取締役社長。2010年横浜国立大学経営学部卒。監査法人やファッション業界での経験を経て、2016年に株式会社Kanattaを創業し、COOに就任。2019年より現職。「ジェンダー平等の実現に貢献する」ことをミッションに、ドローンジョプラス、コスモ女子、エシカルガールの3つの女性コミュニティを運営し、さらに多くの女性の夢の実現をサポートするためにクラウドファンディング事業を展開している(写真:Saho Ueda)

そこで、日本の大学を卒業し、公認会計士の資格を取得しました。当初は営業の仕事をしたかったのですが、「女性からは買いたくない」という男性客も多くいる世界だと聞いて断念しました。それなら世間的に評価される資格を得て、男性と対等になろうと思ったからです。

入社した監査法人は、忙しい職場で、連日深夜まで必死で働きました。社員の2割は女性でしたが、妊娠・出産をきっかけに辞めていくのを見て、ずっとこの働き方は続けられないと思うようになりました。

そこで、働きやすい環境に移ろうという感覚で、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)ジャパンに転職しました。そこでは女性が8割。みんな定時上がりで、子育てをしながら活躍されていました。

しかし、それでも役員クラスになると、全員が男性なのです。キャリアアップという意味では女性は不利なのかなと、改めて感じました。

女性がライフステージが変わっても働き続けるということに対しては、まだまだ課題があるのが日本です。そこを解決したいという思いが、Kanattaの立ち上げにつながっています。

社会貢献と企業利益を連動させる

ジェンダーの分野では、非営利団体はたくさんあっても、営利団体はほとんどありません。弊社は、社会貢献と企業の利益が連動していることが重要だと考え、女性が稼いで、経済的に自立するということを核にして、いくつかのコミュニティを立ち上げています。

たとえば「ドローンジョプラス」では、ドローンによる空撮の仕事を請け負ったり、子ども向けのドローン体験会を商業施設などで実施したりしています。タレントのプロモーションビデオの空撮を受注した実績があり、収益を上げることにこだわっています。

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