貯金が大好きな日本人がわかってない投資の本質 ギャンブルでなく明るい未来を創るためでもある

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もし君が「なるほど。この会社は期待できそうだ」と思って株式を買い、「株主」になると、株式の保有分に応じて会社に対する発言権を持つことができます。株式は英語で「share(シェア)」と言うのですが、shareとは、「分配する、分け与える」という意味です。

その会社が消費者に支持され、たくさん儲けることができれば、君が持つ株式の保有分に応じて利益が分配されたり、持っている株式の価値が上がったりして、君もその果実を得ることができるでしょう。

株式投資をすることは、企業を応援し、新しい社会をつくることに手を差し伸べ、明るい未来をつくっていこうとすることに他ならないのです。

ところが、日本ではなぜか、投資に「投機」のイメージを持っている人が少なくない。投機とは、ギャンブル、賭けのことです。

銀行にお金を預けると、通帳に預けた金額の数字が印字されるから、「お金はちゃんとここにあるな」とホッとできるけれど、株式投資に使ったお金は手元からなくなります。

投資したお金は本当はなくなっていない

いや、本当はなくなっているわけではなく、株式に形を変えて生き続けているのだけれど、一見、通帳から消えてなくなってしまったように見えるから「怖い」。そして、まるで株式市場という闘技場に自分の大事なお金を送り出して戦わせているかのように、株価の動きを見守ってハラハラドキドキ。

この不安感が嫌で、投資に積極的になれないという声はよく聞きます。

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一方で、アメリカ人(だけでなく、日本人でも投資を健康的に楽しんでいる人たち)は、「たしかに現金は減ったが、その分だけ株式という資産は増えた」という認識で、穏やかに過ごしています。

知ってほしいのはその結果です。

1995年から2015年までの20年間での家計金融資産の伸びは日本が1.54倍だったのに対し、アメリカは3.32倍になっています(「平成28事務年度金融レポート」より)。“実体”としてのお金が目の前になければ安心できないのか、お金が姿を変えても自分の資産と思えるのか。こういった意識の差が国全体の豊かさを決定づけているのです。

お金に対する心の構えを少し変えるだけで、将来の豊かさにも違いが出ます。

これを1つの事実として、これから社会に出る君に伝えておきたいと思います。

藤野 英人 投資家。レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長CEO&CIO

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ふじの ひでと / Hideto Fujino

1966年富山県生まれ。国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年に独立しレオス・キャピタルワークス株式会社を創業。とくに中小企業株および成長株の運用経験が長い。「お金」や「投資」を通して、株式会社や日本社会、世界経済のあるべき姿を模索し続けている。教育にも注力しており、東京理科大学上席特任教示、叡啓大学客員教授、淑徳大学地域創生学部客員教授も務める。著書に『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)ほか多数。

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