貯金が大好きな日本人がわかってない投資の本質

ギャンブルでなく明るい未来を創るためでもある

お金を貯めること自体は悪いことではありませんがもっとお金を活用するためにも投資という選択肢に目を向けてもいいでしょう(写真:Fast&Slow/PIXTA)
「日本人はお金そのものが大好き」――こうした日本特有のお金観が30年に及ぶ不景気の一端となったと、投資家の藤野英人氏は語ります。「14歳の自分に伝えたい『お金と仕事と経済』の本質」(6月5日配信)に続き、著書『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』を一部抜粋、再構成してお届けし、「貯金以外の選択肢を持つ重要性」について、解説します。

「貯金以外の選択肢」を持っておこう

日本人は「貯金に偏りすぎている」と言われています。

働いて稼いだお金を好きなことに使うことよりも、貯めることのほうが「清くて正しい」という教育を、なんとなく受けているからか、とにかく貯め込んで使わない人が多いのです。

銀行にお金を預け、銀行がちゃんとそのお金を融資に回している場合には、「お金を社会にめぐらせる効果」が出ます。ただ残念なことに、実際には預けられたお金を銀行がちゃんと融資に回せていないという問題もあったりする。なので、君が銀行に預けたお金が世の中のためにしっかり役立っているのかどうか、ちょっとあやしいところもあります。

さらに、現金をそのまま家の中に置いておく、いわゆる「タンス預金」をしている人も結構います。日本の個人金融資産は約1900兆円あるのですが、現預金が1056兆円(2020年12月末時点)。このうち現金(=タンス預金)は101兆円にものぼります。

桁が大きすぎてピンとこないかもしれないけれど、日本政府が国家予算として使う1年間の金額(一般会計歳出総額)が約100兆円なので、国家予算の10倍近い額が個人の現預金になっているということです。

これは先進国の中でも日本特有の傾向で、欧米人はお金を貯めることにそれほど価値を見出しません。消費や投資に回して、どんどんお金をめぐらせて、経済を活性化させています。2020年3月末時点で、家計金融資産(個人の資産)における「現金・預金」の割合は、日本が54.2%であるのに対し、アメリカでは13.7%しかありませんでした。

代わりに、アメリカ人は株式や投資信託への投資により多くのお金を使っています。「資産を増やすには、投資をしたほうがいい」という価値観が根付いているからです。

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